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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 30

時計を見るともう午後六時を回っていた。そこでようやく二人はお腹が空いていることに気が付く。
「もうそんな時間だったんだな。」
直樹はお腹を擦りながら呟いた。
「よかったら直樹君も食べていかない?未来のお嫁さんの料理の腕、みてあげたら?」
「ちょっ、お姉ちゃん!」
由美は顔をさらに赤くさせ、由真の方を見る。
すると由真は
「はいはい、準備してるから早くきてね〜。」
と、ドアを閉め台所へ向かって行ったのだった。

「由美、悪いけど今日はもう帰るよ。よく考えたら魁のことほったらかしだし。」
魁が来ているのだから、きっと直樹の母は腕を奮って料理をしている。そんな時に外で食べてきたなどと言えば、普段温厚な母も鬼の形相になること間違いないだろう。
「…わかった。今度来たときは私の料理食べていってね。」
少し寂しげな笑顔を浮かべながら由美は言った。
(由美、ごめんな。)

そして直樹は広げた勉強道具を片付け、由美の家の外に出たのだった。
「また明日学校でね。」
「ああ、また明日。」
手を振り由美に別れを告げると凍える様な寒さの中、家に向かい歩き出した。
直樹は歩きながらうつ向くと、不意に声をあげた。
「くそ〜、いくら由真さんがいるとはいえ、こんな状態で由美といたら我慢しきれねえよ!」
そう、今はコートの下に隠れているが、直樹のムスコはまだまだ元気に膨らみを保っていた。
実は帰ることにしたのも、そのような理由による所も大きかったのだ。
無論帰ってからは、魁の遊びに休む間もなく寝るまで付き合わされたのは言うまでもない。そのため、寝床に入ってからも暫く悶々としていたことも……言うまでもない。
翌日のことだった。
監督が今度の日曜日に練習試合をすることになったと告げる。
相手は、今年のドラフトの目玉でもある西田を擁する高校だ。
「まあ、西田と言えば速球と落差の大きいフォークが武器だが、打つならどちらかに絞れ。そうすりゃ勝ち目はある。投手はクリーンアップ後の6番中山に気をつけろ。下手したら痛いホームランを浴びる。あと、試合はこっちでやるからな。」
監督がそう説明すると、部員は返事し練習に取りかかる。
 
 
暫し時は過ぎ、一年も終りに近付いた12/25。今日は二学期の終り、終業式の日だ。
全校生徒が集まる体育館で、直樹はただ列に並びぼーっと立っていた。
すると突然肩を叩かれた。反射的に振り返ると、頬に何かが当たる感触が……。
「お、引っ掛かったな。」
その声で自分の頬に城戸蒼太の人指し指がつきつけられていることにようやく気が付いた。
「蒼太、子供みたいなことするなよ。」
友人のちょっとした悪戯に思わず笑みがこぼれる。
「しけた面してるから、ちょっとからかってやろうとね。」
蒼太も嬉しそうに笑う。

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