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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 24

魁のことは嫌いではないがちょっと苦手だったりする。
なぜなら俺が由美といると必ずと言っていいほど邪魔をして来る。この前来たときははレンタルの映画を見ていたら、良いところでチャンネルでアニメに変えたりしてくる。
おかげで由美は不機嫌になってしまい機嫌を治すのが大変で神経がすりへってしまう。
 
 
ピンポーン…。

その時丁度チャイムが鳴った。
「直樹、でてきて〜。」
「は〜い、魁ちょっと待ってろよ。」
直樹がそう言うと、魁はうんと頷いた。
玄関に向かいドアを開けるとそこには…
「なおちゃん、おはよー。」
制服の上に紺のダッフルコートを纏い、ピンクのマフラーを巻いた由美が立っていた。
「由美…どうしたんだ?今日は日曜なのに制服なんて着て…。」
「はぁ…やっぱり忘れてたね。今日は学校で模試の日だよ?」
由美は白い息と共に大きなため息をついた。
「え、そうだっけ?ヤバッ!」
直樹が驚いていると背後から、ドタバタと騒がしい足音が近づいてきた。
「由美姉〜、おはよ〜!」
う、来やがったか…。
「あれ?魁君どうしたの?」
「ああ、まあ色々あって一緒に暮らすことになったんだ。」
ちなみに魁は由美にもかなり懐いている。
「ってのんびりしゃべってる場合じゃない!急いで支度してくるからちょっと待ってて!」
早口で言うと、完治した左足をフルに発揮し、疾風のような速さで自室のある二階へ走りだした。
「まだ時間あるからそんな急がなくても大丈夫だよ〜!」
その瞬間に直樹は慌てて準備した……魁は言う。
「……大丈夫かな?」
「魁君も3年後にはこうなるのよ……今のうちに準備しておかないと…」
流石に部活動しているだけあって制服で駆け下りてくる直樹に母親はエッグトーストを息子の口に押し込み牛乳パックを渡すと言う。
「お願いね」
「は〜〜い」
慌しく出て行く二人を見て魁はため息を付く。
「大丈夫なんですか?」
「あの子は土壇場で持ち直す子だし……」
母親の言葉は偽りは無かった。模試では多少苦しめられたが二人ともまずまずの成績を出していたからだ。
そんな由美の声は直樹には届かなかったようで、先程の足音より重量感のある音が高橋家に響く。

「魁君ひさしぶりだね。しばらく見ないうちにこんな大きくなっちゃって。」
「春から中学生だからね。子供扱いしないでよ。」
今は小学校六年生かぁ…。由美は直樹に似たこの従弟を見て、あの時のことを思い出し少しぼーっとしていた。
その時ふと、額の傷に触れる。
(あの時なおちゃんがいてくれなかったら、私どうなってたのかな…。)
と、そこで魁の声で現実に呼び戻された。
「由美姉?」

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