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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 22

「お前のそういう所…迷惑だよ。」
直樹はそう言った。
「う……えぐっ…な、なお…ちゃん………。」
由美からは嗚咽が漏れる。
「俺のためっていって、結局俺には何も話さず決めてさ…。俺の気持ちは無視だもんな。」
直樹の言葉に由美の目の前は真っ暗になる。
もう足で自分の重さを支え切れずしゃがみこもうとした瞬間…由美は包み込まれるような暖かい感触を感じた。
そして恐る恐る目を開けると、直樹が優しく抱き締めてくれていた。
「なお…ちゃん?」
直樹は自分の部屋に戻った。
「なおちゃん…」
か細い声を出す由美。
「由美」
直樹は由美に歩み寄り抱きしめた。
「なお…ちゃん?」
戸惑う由美。
「親父達から聞いたよ、額の傷のこと…それで今も責任感じてるって…。俺そんなこと知らなかったから…由美は俺より苦しんでたんだな」
「……」
「由美、俺と同じ高校に行こう。また、マネージャーとして俺を支えてくれないか?」
「でも私…」
由美は口を濁す。
「俺は由美がドジでもいいんだ。そういうところも好きだから…一緒にいてくれたらそれでいいんだから…頑張り過ぎなくていいよ」
「…なおちゃん」
由美の瞳から涙が零れる。「また一緒に野球やろう」
「…でも私、またヘマして、なおちゃんに迷惑かけちゃうかもしれないよ?」
「いいんだよ、その時はまた、俺が守ってやる。それで怪我したら、また治して復活してやるさ」
達也と達樹はホッとしていた。
「それにしてもうちの高校ここん所負けこんでいるからな……」
「そうだったな……それよりもまた俺のユニフォーム姿が見られそうなんだ」
「????」
「古巣からチーム再建計画の一つとして俺を打撃コーチとして戻ってきて欲しいと言われている」
達樹はため息を付く。
「全盛時代だった現役選手は殆ど引退しているかよそのチームに移り同僚はコーチ陣や運営会社の社員となっている……その事は知っているな」
達也が頷く。
「でも、親父は自分に後輩の指導が勤まらないって言って断って?」
「由美ちゃんの姿を見て……俺は教えられたんだ……」
「……もう、確定しているのか」
「五日後には正式に通知が来る……」
「決めた、プロに行く!」
「厳しいぞ……それでもいいのか?」
「ああ……多分籤運さえ良ければキラーホエールになっているさ」
二人は二本目のビール瓶を開けた。

直樹の足も順調に治り徐々にトレーニングの段階を上げていく。後輩に混じり白球を追いつつも今後のチーム編成を見据えて彼らにアドバイスしていく。

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