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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 21

「あの、小学校の時も、わ、私のせいで、なおちゃん大怪我しちゃって、………こ、この前の大会だって、…私、何の力にもなれなくて…。」
由美は涙が溢れるのを必死に堪えて…それでも直樹に訴え続けた。
「私、なおちゃんのこと、大好きだから、…ずっと、ずっと、なおちゃんのこと、応援していきたいから…。…もうこれ以上、なおちゃんの足手纏いに…なりたく…なぃょ………。」
もう最後は聞こえるか聞こえないか、弱々しく擦れた声だった。そして涙を堪えきれなくなり…泣きだした。

数分の沈黙の後、直樹は重い口を開く。
「よくないよ!俺は由美に其処まで求めてない!」
直樹は慌て部屋を出るとリビングでのんびりと野球観戦と言うよりも解説魔になっている父親に言う。隣にいた達也もようやく知ったのかと言う顔をしてアオリイカのするめをおつまみしてビールを飲んでいた。
「なんだ……今知ったのか……」
「親父はいいのか!?最終学歴が中学までで……」
「最終学歴なんて目安だ……人がよければ見る人はちゃんと見てくれるし……」
ビール片手にして言う。
「あのなあ……由美ちゃんが行こうとしている学校は高校と同じ教育課程がある学校なんだ……彼女はあの時の事を引きずっているから額にある傷を消してないんだ……」
「え…」
「そんなに掛るほどの傷じゃない……女にとって顔に傷がある事は普通は嫌がる……」
達也が言うには由美の右額には傷がありあの時に出来た傷だった。直樹が上手く庇った形であの程度で済んだが打ち所が悪ければ直樹よりも重症になり得たと言う事だった。
「これは彼女から口止めされていたんだ……直樹……俺が所属しているアマチュアリーグにも中卒や高校中退者もいる……でも、俺は一人のプレーヤーとして敬意を払っている……」
「普通はいないぞ……処女捧げて…ここまで尽す子は…」
達也が言うと父達樹はギロリと眼孔を飛ばす。普段は温和な男だが恋愛と野球に関すると鬼になる。
それでも直樹は納得出来なかった。
ただ、直樹は今までのように由美にマネージャーとして自分を支えて欲しい、それだけだった。

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