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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 14

「ムードにしてはいいが筆下ろしと初体験の時ぐらい万全なコンディションにしろよ……」
兄は社会人チームに属していてプロ球団からも注目されている外野手だ。軟球とは言えこんな強肩な腕から放たれた球は凶器となす。
「達也さん……あの、その…」
スーツ姿の兄は上着を由美にかけると直樹を抱えた。
「病院に行くぞ!」
直樹は半分死んでいた……恐らく肝臓付近を狙って投げたんだろう。

診察の結果は少々悪化したのでドクターストップを宣告された。
「足まで駄目になったらどうする!それに……」
達也は小声で言う。
「この事親父にばれたら半殺しにされるぞ、止めなかった俺まで。」
二人の父親は名手であったが二千本安打も日本新記録も持ってない……しかし同業者の間では有名であり現役の時にはある試合で死球を貰うと相手投手に突進し膝蹴りを食らわし別の試合ではチャージして来た助っ人外国人とケンカになりKOさせた事があるほど荒っぽくそのシーンは時々特番でも見られる。達也がこう言えるのは現在付き合っている恋人と行為が発覚した際に見た事もない形相で怒られた事がある。
「あっ、由美ちゃんの事忘れていたな……俺が送るからな…」
「送り狼にならないでよ…」
直樹の言葉に達也は笑う。

翌日……病院から支給された杖を持ち鞄一つで登校する直機はバス停で由美を見かけた。
「昨日はゴメン……俺どうかしていた…」
「いいの……それよりも監督が学校来たら連れて来いって……昨日ミーティングすっぽかしたからって……」
直樹はため息を付き学校に着くと顧問も兼任している監督は小言程度だった。
「後輩の育成とかは他の奴に任せておけ……それと例の推薦の件は考えたか?」
「いえ……」
「一般で狙うとなると何処も厳しいからな……推薦の話はお前の兄が通った高校だ……俺の教え子が監督しているしこの前の試合も来ていた……」
「しかし……」
躊躇する直樹は言葉を濁した。

放課後…何時もならグランドに飛び出す時間だが直機と由美は病院へと向かっていた。
「達也さんが通っている学校なら私の学力でも行けるし……行こうよ……」
「こんな足で……」
バスに乗り席に座る直樹は不安だった。
兄の通った高校は、過去甲子園に数度出場しており、県の強豪校として数えられている。
故にレベルは高い。
入部しても、そうたやすくレギュラーはとれないだろう。
ましてや、直樹は手負いの状態だ。
それが直樹を悩ませる。

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