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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 123

その三輪への初球、甘く入った高速スライダーを捕えられる。しかし打球は三塁線外のファールゾーンへ。2球目、3球目は外れカウント1−2。
4球目は決め球のシンカーを投じるがカットされ2−2。勝負カウントで松本・柊のバッテリーは再びシンカーを選ぶ。
そのシンカーを三輪はミートする。強い当たりとなるがショート藤井の守備範囲で、打球を捌くと素早くホームへ送球し、三塁ランナーのホームインを阻止することに成功した。
ツーアウト一塁、二塁となり、バッターは5番田代。
アウトカウントはあと一つ。だが、松本は2球目のストレートを左中間に運ばれてしまう。
滝川がカバーし、内野に返球した時には一塁ランナー三輪が三塁ベースを蹴っていた。
内野の藤井がキャッチした時には投げて間に合う時間はなく、三輪のホームインの瞬間を見届けるしかなかった。
1−2。投手戦の末、リードを守り切れなかった照星。松本は4番三輪を打ち取ったことによる安堵感と、早く試合を終わらせたいという気持ちによる投げ急ぎがあったのかもしれない。
とはいえ、松本が着々と力をつけているのも事実だ。

そして十月になる。
セ・リーグではダイナマイツが粘るワイルドキャッツを振り切り、二年振りのリーグ優勝を決めた。
一方のパ・リーグはデッドヒートの末、ファルコンズがドルフィンズに2ゲーム差をつけて1位となる。
そして、プレーオフ最後の椅子を奪ったのはキラーホエールズだった。九月のユニコーンズとの直接対決で3タテを喰らわせて勢いづき、3位の座を確保することに成功した。
しかし、首位ファルコンズとは7.5ゲーム差。2位ドルフィンズに勝っても、アドバンテージの関係で0勝2敗からのスタートとなるので、キラーホエールズの優勝はないと思われていた。
ところが、後がないドルフィンズ戦を2連勝で乗り切ると、同じく後がないファルコンズ戦でも怒涛の快進撃で3連勝し、45年振りのリーグ優勝を果たした。
チームは一時期、達樹のせいもあり4位まで転落したが、人気者新城が今期限りでの引退を発表したこともあり、『彼のためにも優勝を』とチームが一つになった。
シーズン最終盤の勢いは、上位二チームに引けをとらないものだった。
結果として、レギュラーシーズンは3位に終わったが、若いドルビッシュや矢木らが飛躍した投手陣に加え、ベテラン尾笠原や稲場を核とした打線は中々強力で、セ・リーグ覇者ダイナマイツにも脅威と言えよう。

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