PiPi's World 投稿小説

プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 106
 108
の最後へ

プレイボール! 108

そして九月を迎える。
プロ野球界では、セの首位を走るダイナマイツにマジックが点灯し、パはファルコンズとドルフィンズが激しい鍔ぜり合いをしながら、プレーオフ進出を早々に決めた。
残る一枠を三位ユニコーンズと四位キラーホエールズが争っている。

一方の照星野球部は、秋の県大会に挑むことになる。
抽選の結果、一回戦の対戦相手は千葉市にある緑ヶ丘高校と決まった。
この高校も照星同様スポーツに力を入れており、野球部も着々と力をつけてきている。注目は強肩の二年生捕手の高河 亮だ。
故に滝川らの機動力が使いにくい。だから土居監督はバントやエンドランの練習を徹底して行わせる。
ちなみに足が遅いのは野田と柊、相馬である。
直樹・茅野・相川の三人は遅くはないが、早くもない。
野球はホームランだけではない。時にはバントやエンドラン、スクイズといった策も必要である。そういう小技を身につけることでチームは更に強くなる。
ファルコンズの黄金期はそういう野球が出来ていた。
こういった小技をせずにホームランに頼り切ったフェニックスやサンライズが優勝出来ずに低迷したのも記憶に新しい。
更に守備練習も徹底して行う。
これは剣道部との合同合宿からずっと強化している部分でもあり、特にセンターラインの強化を重点的に行っている。その中心の一人橘は最初こそエラーが多かったが、今ではかなり上手くなっている。
元々の運動神経の良さもあるだろうが、その上達っぷりは相方であるショート藤井や土居監督も驚くほどだ。

一方の直樹は、野手兼投手として土居監督は使っていくつもりだった。
直樹の最大の武器であるジャイロボールは、4シームで投げると初速と終速に差がなく、綺麗なバックスピンがかかった相川の正当派のストレートと同じ早さに感じてしまう。
そして、2シームで投げれば、それだけで空気抵抗が倍に増した球は自然とチェンジアップとなり、全くストレートと見分けのつかない難解な球となる。
制球や変化球に不安を感じさせる直樹だが、球速以上に早く感じる球は短い回なら充分使えると土居監督は踏んでおり、直樹をストッパーとして起用することを考えていた。
そのため、ライトの守備に不安を残す相川に守備練習させる。
また、もう一人の投手松本に関しては、隠し球的な存在にさせるため徹底して下半身を鍛えさせる。
ユニコーンズの渡部投手などそうだが、横手投げや下手投げの投手には強靱な下半身が必要である。
直樹や相川とは違い彼はサイドスローなので、相手打者が相川や直樹に慣れても目線を変えられる。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す