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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 105

今の直樹は投手としてはまだまだ未熟で、相川、松本に次ぐ三番手に過ぎない存在だが、上手く成長すれば西宮ワイルドキャッツの藤河のように、ストレートで相手を沈黙させられる投手に成り得ると土居監督は考えていた。
しかし、投手直樹には課題が多い。
ストレートが武器になるとはいえ、制球力の悪さや球種の少なさという弱点がある。
直樹を見守る土居監督は、唯一の変化球カーブの握り方を少し変える事でスライダー気味になる所謂スラーブと、縦に割れるドロップになるように教える。
また、ジャイロボールの特徴である2シームと4シームとで球速差が明らかに生ずる事も直樹に教える。
直樹が元投手とはいえ、右腕投手としては素人同然だ。一度に詰めすぎの感もあるが、これは土居監督の投手直樹に対する期待感の現れと言える。
そして日が暮れ、この日の厳しい練習が終わりを告げた。
皆クタクタになりながらグラウンドから引き上げて行く。

この日の夕食担当は、野球部が松本と柊、剣道部は橋本 千里(ちさと)と小倉 奈々枝(ななえ)で、今日のメニューであるバーベキューの材料切りを行っていた。
「監督は高橋に投げさせてたけど、高橋を投手にさせる気かなあ」
松本は柊に聞いた。
「その可能性は大アリだな。高橋のストレートは普通じゃない。球がホップする」
「ジャイロボールってやつかい?」
「まあ、そんなとこだ。球速は120出るか出ないか。コントロールも悪いし、変化球も少ない。だが、あれは鍛えれば大化けするかもしれない」
「…ってことは俺もぼやぼやしてられないな」
「ね〜え、出来た?」
千里がそう聞いてくる。
「ああ、もうちょいだ」
柊がそう答える。
「それ終わったら炭お願いね。あとウチラでやるから」
「そっか、すまない」
そして、松本と柊はキャベツを切り終えると、キャベツを水で流してまな板と包丁を洗い炭のところに行く。
「…ってかこんなもんもあるんだな。元小学校とは聞いてたが。」
「柊早くやろ〜ぜ。」
「じゃあ炭運ぶぞ。」
「あいさー」
そして二人で炭の準備をする。
「松本、火持ってないか?」
「ほいよ、チャッカマン。炭と一緒にあったぞ。」
炭に火をつけて上に焼くようの網を乗せる。
火が大きくなれば完成だ。
「お待たせー」
千里が奈々枝と一緒に野菜や肉を持ってきた。
間もなく皆が集まりバーベキューとなった。

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