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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 104

「ねえ高橋君、相川君は彼女いるの?」
「いや…いないと思うけど…」
「そっかあ、なら私にもチャンスありね」
美咲は嬉しそうに言う。
直樹が呼ばれたのはまさにコレだった。
女子剣道部員の中で、美咲のように野球部員に恋した人間が何人かいたのだ。
そこで由美やあす香とパイプのある直樹から情報を聞き出そうとした訳だ。
直樹はあの一件で微妙な関係になった二人から呼び出されたので、部屋に入るまで不安感がいっぱいだったが、このような内容でホッと胸を撫で下ろした。

一方、101号室。
「俺は初め、笠原がいいなあって思ったんだよ。だから高橋と付き合ってるって知ってちょっとショックだったな」
そう言うのは滝川。
「確かに笠原はカワイイけど、やっぱあす香ちゃんだろ」
こう言うのは無論茅野。
「相馬は誰がいいと思うんだ?」
藤井が聞く。
「俺は…剣道部のあすみって子だな」
「あすみって橘の妹か?」
「ああ、そうだけど。カワイイだろ?」
「う〜ん、悪くないけどさあ…なんか暗そうじゃん、あの子」
「そういう控えめな感じがいいんじゃん」
こんなたわいのない会話が長く続いた。
まるで気分は修学旅行である。

翌日、朝食を取り片付けが終わると今日の練習が始まる。
今日は野手連携を中心にすることになった。
野手連携練習は、送球カットや盗塁阻止のタッチプレーやバントシフト・ダブルプレーの確認等が中心である。
皆少しでも早く上達しようと必死で取り組む。
特に守備の要の二遊間を守る橘、藤井は真剣だ。
しかし、野球を始めて日の浅い橘はミスを連発し、終わった時にはかなり落ち込んでいた。

直樹はこの日もいつも通り外野の守備練習を熟していたが、途中土居監督にブルペンに来るように言われた。
「監督、なんですか?」
「高橋、ちょっと投げてみてくれ」
「えっ!?俺がですか?」
ビックリする直樹。土居監督には茂原南戦でいきなり登板を命じられ、かなり焦らされた経験がある。
「ああ、お前はいいモノを持ってると思うんだ」
直樹は訝しげに思いながらも柊に向かってボールを投げ込む。
一見凄みのないボール。だが、受ける柊は相川や松本とは違う球の重みを感じていた。
茂原南戦では投手のコマ不足から、投手経験のある直樹を思い切って登板させてみたが、その時の投球内容を見、そして球を受けた柊から聞いた情報から、直樹は投手として面白い存在になると踏んでいた。
その理由は直樹のノビのあるストレート。所謂ジャイロボールのことだ。

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