うちのマネージャー 96
「やっ!…やめてっ!……撮らないでっ!!」
パシャッ
しかしその声が聞こえていないかのようにシャッターをきり続ける聡介に、言葉で無理なら無理矢理にでも足を閉じようとした共恵だったが、行動に移る前に突如内股に走った痛みに悲鳴をあげていた。
「ああっ………!」
(いっ…痛いっ…)
「…小原…ちょっと…じっとしててくれよ…」
「うまく撮れないだろ」と半ば譫言のように言いながら、ケータイを離さない聡介の左手は、共恵の足をつかみ、爪が内股に食い込んでいた。つーっと傷を付き、赤い血が流れて行くも聡介は構いもしない。
「…あぁ…いや……」
(……怖い…怖い…)
興奮のあまり周りの見えない聡介の様子に、共恵は最早抵抗らしい抵抗も出来ず、恐怖にからだを震わせるだけだった。
(…もうイヤ…誰か…誰か…)
体を床に横たえたまま、カタカタと震えていた共恵の体が、突如聡介によって起こされた。いつの間に撮影をやめたのか、聡介は共恵の躯を抱くように抱え、ケータイの画面を見せてきた。
「ひっ…!?」
そこには撮ったばかりの共恵の陰部が写し出されていた。顔を背ける共恵に気づかないのか、気にしないのか、聡介が口を開いた。
「…なぁ小原…よく撮れてるだろ?……すっげぇキレイだ………なぁ?…どれがいいと思う」
返事など返せるはずもなく、顔を背けたままの共恵に構わず、聡介は一人で話し続ける。
「…やっぱ…これかな?……一番キレイに撮れてるし……トロトロなのもよくわかるよな?」
「………っ」
「………健哉も喜ぶよな」
「えっ……!?」
思いもしなかった言葉が零れ出て、共恵は背けていた顔を聡介に向けた。
「…こんだけキレイに撮れてるんだ…アイツにも見せてやんなきゃもったいないだろ……?」
楽しそうに、しかしどこか常軌を逸したかのような聡介の言葉に、共恵は自分を支えていた物がガラガラと崩れていくかのような錯覚を覚えた。
「………いや………」
「…早速送ってやんないとなぁ」
「…やめて……」