うちのマネージャー 1
共恵には悩みがある。それは共恵がマネージャーを勤めるテニス部の事。
共恵は小さく溜息をついた。
本名は小原共恵。天然癒し系な美少女である。肩まである黒髪は艶やかで、穏やかな笑顔は天使の様。ふっくらとした胸はGカップでウエストからヒップにかけてなめらかな曲線を描いている。
街を歩けば誰もが振り返るような、そんな美少女だ。
共恵が大阪にあるこの紫野高校に転入して来たのは約1年前、2年に上がったばかりの事。
「小原ー。おるかー?」
教室のドアの前でテニス部の部長である聡介が共恵を呼んだ。
手にはプリント数枚が握られている。
共恵は立ち上がり聡介の元に急いだ。
「何?」
「今日の部活。俺委員会で遅れるからメニュー渡しとこと思って。」
聡介がプリントを共恵に渡す。
「わかった。皆に伝えておくね。」
「頼むな。」
と、その時。共恵の脳裏にある映像が浮かぶ。
(ああ…まただ…)
共恵には予知能力がある。ただし、予知能力と言うには頼りなく、映像はたまにしか出てこず、出たとしても半分当たれば良いほうだ。
ただ、今回のは様子が違う。
なぜならば、共恵の脳裏に浮かんだ映像には、今まで1回たりとも出ることがなかった共恵自身が映っていたからだ。
そしてその共恵自身は、今目の前にいる聡介に組み敷かれ、服は乱れ、泣き叫んでいる。
今正に犯されています、という状況にしか見えない。
まだ彼氏すらまともに作ったことのない共恵にとって、それは少しばかりショッキングな映像だった。
(…こんなの当たらないよ…きっと…)
「ならよろしくな。」
「うん。」
共恵は聡介の後ろ姿を見送って、席に戻った。
そして時は過ぎていった。あっという間に放課後になった。
共恵は部室の整理をすることになっていたので足早に教室を後にした