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うちのマネージャー
官能リレー小説 - 学園物

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うちのマネージャー 89

思いも寄らない呼び出し(強制連行でしかなかったが…)のおかげで大分時間を食ってしまった。
案の定部活の時間になっても姿を現さない共恵に何か起こったのだと確信した健哉だったが、肝心の居場所が分からず聡介に詰め寄ろうとした矢先だっただけに、本当に忌々しくてたまらない。
漸く解放され部室に戻ってきたが、もう誰の姿も見えず思わず舌打ちがこぼれる。
苛々しながらも部室で制服に着替え戸締まりを済ませ、鍵を返すついでに共恵の担任に会いに職員室へ行こうとした健哉は、下足室で立ち止まる。
「…ッ!!」
なにげに共恵の靴箱を見てみたら、あるのだ。いつも共恵が履いている、ローファーが。
(聡介は?!)
鞄を投げ捨て、慌てて聡介の靴箱を覗くと、先に帰った筈の聡介の靴が、そこにはあった。
(マジかよ…!クソッ)
嫌な予感が的中した気がして、聡介の靴を床にたたき付けた。

「あれー?まだいたんだぁ」

その時、余りにその場の空気にそぐわない調子の声がかかった。はっとして振り返るとひとりの女生徒が傍らに佇んでいた。

「やだぁーごらんしーん?」

“ご乱心”と言いたいのだろうか。その目線は健哉が投げつけた聡介の靴に向いている。一方の健哉は彼女の間延びしきった口調に、張り詰めていた気持ちが少しだけ落ち着くのを感じた。

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