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うちのマネージャー
官能リレー小説 - 学園物

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うちのマネージャー 9


「…なんだ着いたのか」
最上階をつげる音に不満げに声をあげる健哉。
そして共恵も…
(あっ…着いちゃったんだ………ってあたし!?)

健哉が躰から離れることを一瞬寂しく感じてしまったのだ。

(あたし…あたし……)

「?おい?…あっなんだここか。目の前なんだな」

自身の心情の変化に戸惑い呆然とする共恵の横で健哉が見つけたのは、降りて目の前にあった“小原”という表札。
「…ふぅん…ここねー…」
「そっそう!ここ!……ね?もういいでしょ?返して??」

最後の砦を守るために、鍵を開ける前にそう持ちかける。
(お願いだからこれ以上意地悪しないで…)

「…ね?返して?」

(…なんでそういう無防備な顔男に見せちゃうかなー…)
上目遣いで言い小首を傾げる共恵の様子にすぃっと視線を逸らす。さすがに家の目の前で襲うことは出来ないし、この様子じゃ自分の姿が見える間は彼女は家に入りそうもない。

(…まっ今日はいいとするか)

「わかったよ。ん。」
「ちょっちょっと///」
共恵が焦ったのも無理はない。無造作に学生服のポケットからしわしわになった下着を目の前に差し出されたのだ。
真っ赤な顔をしてすごい勢いで取り返し鞄にしまい込む彼女を健哉は楽しそうに見る。
(…今日のところはおとなしく帰ってやるよ)

「じゃっまたなぁ〜」
「えっ……う、うん」

もう用は無いとばかりにあっさりと引き下がった彼に共恵の方が拍子抜けしてしまう。

「今日は早く寝て、たーっぷり睡眠とっとけよ〜」

訳の分からないことを言いながらエレベーターに乗り込んだ健哉を見送ると共恵は家の鍵を開けたのだった。




―…このとき、共恵が彼の最後の台詞の意味をもう少し考えていたなら、この後の事態は免れたのだろうか…





†††




その日、家に帰ってから原田聡介は悶々とした気持ちを持て余していた。
(…小原…今日おかしかったよな……)

自分が委員会で遅れて部室に行ってみれば、いつもはテキパキと仕事をしているはずの想い人は何故か上の空という感じだった。
(あぁ…なんか悩みでもあるんだろうか…。)

「はっ!!まさか!?」

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