うちのマネージャー 7
共恵の中にその言葉は暗い光のように灯り、そして…次の瞬間。
「…ぃっ…イくっ…イくイく!…イっちゃうぅっ!…っぁああああああああああああぁ!!!」
共恵は恍惚とした表情で絶頂に達していたのだった…。
†††
「―…では、今日の練習はこれまでっ!」
「「「ありがとうございましたぁっ!!」」」
がやがやと解散していく部員たちの後ろで、共恵は小さくため息をついていた。
「小原…?」
「えっ…あ、なに?」
解散の声がかかったにもかかわらずその場に立ち尽くしたままの共恵に聡介が声をかける。
「いや…おまえ具合悪いんだって?小野塚から聞いた。」
「あっ…う、うん…」
―小野塚くん…
「無理すんなよ?…なんなら俺送っていこうか?」
「えっ?でも―」
気持ちは沈んでいるが本当に具合が悪いわけではない。気を使ってもらっては悪いと共恵は断ろうとしたが…
「俺が送っていくってさっき言ったんだよな?」「健哉?」
…ぞくんっ
一体どこから聞いていたのか、健哉が突然話に入り込んできた。
(そっそんな…)
「おまえが…?」
なんで健哉が送っていくのだと疑わしげに聡介が眉をひそめる。
「部室でそういう話になったんだよ。…なっ?“イく”っつったもんな…?」
そう言って聡介に見えないように意地悪な笑顔で共恵を見る。
(…そんな言い方されたら)
断る術も見つからず、共恵は小さく頷くしかなかった…。
†††
「…へぇーすげーキレイなマンションじゃん?」
共恵の住むマンションを見上げ呟く健哉。帰り道からずっと共恵は黙したままだ。
「………」
「なぁ何階?…っておーい?聞いてんのかぁ?」
「…返してょ」
「あ?」
漸く口を開いた共恵のか細い声に聞き返す。