うちのマネージャー 5
「無理だ」
即座に返された言葉と同時に顔を無理矢理向かされ、健哉と目が合うことを余儀なくされた。
―えっ…
意地悪くも、奥に熱い欲望をたぎらせた瞳に共恵の涙が止まった。
そのまま見せつけるように舌なめずりをしてみせた健哉に、背筋がぞくっとする。
「好きな女のこんなそそる姿見せられて…やめれる男なんていねぇよ」
―なんか獣みたい…
襲われている事実さえ忘れ、共恵は思ったが―
「ひあぁぁんっっ!」
秘部を襲った突然の衝撃にあられもない声をあげていた。
「…いい声♪」
機嫌のいい声でいい、健哉の体はますます共恵に密着する。
ちなみに、共恵は今一見すれば襲われているようには見えない…かもしれない。上半身に服の乱れはないし、向かい合ったまま押し倒されているわけでもない。だがよくよくみれば抱き合っている男女の様に見えてその実、健哉の左手は共恵の両手を後ろ手にまとめ、右手は完全にスカートの中に潜り込んでいる。
そして共恵のショーツは膝の辺りにひっかかったままなのだ。ようするに…
「だめっやめてっ…みんなが入って来ちゃうよっ」
誰かがこの部室に入ってくれば一目瞭然ということ。
「…やめられねぇっつったろ?」
ぺろんっと共恵の頬に残る涙の跡を舐めとられる。その間も健哉の右手は潤い始めた秘部を上下に行き来している。
「…ぃや…やだぁ……んっ」
(…あぁ触らないで)
正直にいえば、共恵はなにが嫌なのかわからなくなってきていた。抱きつかれた当初はただただ恐怖にかられて本気で抵抗していたけれど、健哉のあの獣のような瞳に射すくめられてしまってから、なんだか胸がざわついてしまうのだ。
(…それに…小野塚くん…好きって……)
“好きな女”
確かに彼はそう言ったはずだ。
―きゅんっ
それを考えた途端、また胸がざわつく。
(すっすきだからって何でもしていいわけないよ…)
それにやっぱりこんな所でなんて…。