PiPi's World 投稿小説

うちのマネージャー
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 38
 40
の最後へ

うちのマネージャー 40

共恵の思考は突然に遮られた。

「小原っっ!」
「……っえ」

昼の光が射し込む部室のドアの前。総介が佇んでいた。

「…あっ…ごめんね」

彼の出現に、漸く共恵は自分の仕事を思い出した。仕事のこと、先程までの激しい情事、自分の考えていたこと。後ろめたい様々な要因からか、自然と総介に背を向け、話を続けた。

「すぐに持って行くから、戻っていいよ?」
「…小原…」

だから共恵は、総介が間近に迫っていることに気づけなかった。

―ガバッ!

「っきゃっ!?…っえ!なに!?」

突然の聡介の行動に、共恵は声を上げ身じろぎした。いや、実際はあまりに強く、まるで羽交い締めにするかのように抱きついてきた聡介のせいで、それさえも敵わなかったのだが。

「やっ!いやっ!離してっ!!」

一気に共恵の目に涙がせり上がった。それと同時に一昨日の健哉との一件を思い出す。
あの時も後ろから、突然だった。でもあの時は怖いだけだった。健哉の真意がわからず、何をされるかわからず、ただ恐怖にとらわれていた。―…でも今は。

「…ひっ!」

後ろから、首筋に顔を埋められて、鳥肌が立つ。
そう、今共恵の心にあるのは、“嫌悪感”だった。共恵の全身が聡介を拒絶しているのだ。
しかし、もちろん聡介にはそんな共恵の気持ちなどわかるはずもなかった。むしろ妄想の世界が現実となった喜びに打ち震えていたのだ。
と、そこへタオルを取りにきた健哉が戻ってきた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す