うちのマネージャー 27
「…は?」
その言葉に、健哉は驚くというよりは虚を抜かれたような表情をした。何故そんなことを言うんだとばかりに。かと思えば次の瞬間にはあの意地悪な笑みを浮かべていた。
「…へー…やさしーくシてほしいワケ?」
「…う…うん……」
「…痛いのが怖い?」
「うん…」
健哉の真っ直ぐな瞳に、見透かされているのではないかと目を合わせられないまま、曖昧に頷く。
しかし…―
ぐいっ
「あっ…」
「んなの無理に決まってんだろ…?」
顎をとらえられ無理矢理に目が合う。健哉の口からでた呟きは今までになく熱く掠れて、欲望にたぎるその様子にぞくぞくする。
「…あああっ!」
突然の甘い刺激に高く啼く共恵。健哉の空いた片手はびちょびちょになった秘部を愛撫しだしていた。
「…言っただろ?…“好きな女とここまできてやめられるわけない”…って」
くちゅくちゅ…くちゃ
「…あっ…ぁっ!…はあっ!んんっ!!」
“好きな女”
その言葉に胸が熱くなる。
ずるい。そんなの、ずるいよ。
「…痛みも快感も…俺がイヤって程教えてやるっ…!…だから―」
指の動きが加速する。
「…あっ!ああ!」
ぐっちゅぐっちゅぐっちゅ!
「ぃあっ!ああっ!あはぁっ!」
「…共恵」
あ…名前…呼んでくれたの初めて……
「俺に堕ちちまえよっ…!!」
「…っっああああ゛あ゛ああぁっ!!」
何度目かの高みに上り詰めながら、共恵は思った。
“もう、堕ちてしまっている”と。
初めから自分に快楽の全てを教え込んだ健哉相手に刃向かっていいはずなかったのだ。それに何より、健哉に翻弄されることをこの躰は望んでいる。
ヌポッ…
イった余韻によりビクビクと痙攣する膣口から指を抜き取る健哉。共恵は引き寄せられるように、愛液に濡れるその指先を舐めとっていた。
「…んふっ…ちゅばっんちゅっ…んっ…」
丁寧に愛撫するかのように指をしゃぶる共恵に健哉の興奮が高まる。
(なんて顔しやがんだよ…)
そうだ。無理なのだ。優しくシてやるなんてこと。今だってギリギリの理性を保っているのに。昨日部室で共恵を抱きしめてしまったあの時から、もう止まることなど出来はしないのだ。