性徒憐(リン)の日常 27
透明な雫がバスの床に零れ落ちる。
パタ、パタと、小さな音を立てながら弾けていく、銀色の小さな雫。
足元の暗がりに吸い込まれ、消えていく。
「ハァハァハァ」
男の息遣いが荒くなる。濃密な雄の臭いに私の内側はますます貪欲に蠢き絡みつく。
「クッ……すげぇ」
立っていられなくなったのか、男は横にあった手すりに手をかけた。
両足の間に足を割りいれてバランスを保とうと男が動いた時に、小さな雫が零れ落ちていくのが見えた。
(あ………)
その雫が、床で弾けた瞬間、男の靴がその上を踏みにじった。
………違う。偶然、その上に足を踏み込んだだけ。
たまたま、誰にも気づかれずに、踏みにじられた私の体液。
ガクガクと身体が大きくゆすられ、男の動きも激しくなる。絶頂が近い。
(イク………)
欲望を吐き出す寸前の激しい動き。その時の擦れる粘膜の微妙な痛痒さは、どの男でも変わらない。
放出される体液の熱さも、どれも同じ………。
ドクドクと音を立てるように私の中に注がれていく。
一瞬の恍惚と脱力感が、背後の男から伝わってくる。
躯から抜き出される感触に、閉じていた目を開けると、窓から停留所の看板が見えた。終点よりもひとつ前。待っている人影は無い。
バスが停車すると、その男は、何事も無かった顔で、他の乗客と共に降りていく。
意味深な視線。軽蔑。好奇。私を取り巻くいつもの空気感。
シュッという音と共に、ドアは閉まり再びバスは走り出した。
終点では停まらないだろう。確信めいた予感があった。
私はバスの最後尾の席に躯を投げ出すようにして座る。
客はさっきの停留所でみんな降りて私一人…脚に絡まる下着を取り、スカートと共に広い座席の隅に投げる。
座席で股を開き、まださっきの男の名残が残るアソコを弄る。
いつも何度セックスしても満たされない感じだけど…今日は特に欲しい感じがする。
ペ○スが抜かれて数分しか経たないのに、アソコが物欲しさにヒクヒクと震えていた。