性徒憐(リン)の日常 20
「んん……うくっ」
言うとおりだと思った。私もこの男子の名前すら知らない。知りたいと思わない
誰のものでもない欲望を私は舌で愛撫する。皆にしてやるのと同じやり方で
しかし、どことなく気分が良くなかった
その理由ははっきりしない。考えようとすると、頭が痛くなる
「おい! ぼんやりしてんじゃねえよ」
男が私の頬を叩いた。いつの間にか、動きを止めてしまっていたようだ
私はまた舌を動かす。だが、また止まってしまう
こんな風に身が入らないなんて初めてのような気がした
「おい!」
苛立った声が頭から浴びせられる
「…………」
私は口内に押し込められた異物に、軽く歯を立てた
「痛ェな!もうフェラはいいからケツあげろ!」
男はアナルに突っ込み出すものを出すと苛立ちながら保健室を出ていく
「ふぅ………」
一方的な情事に疲れた躰をベッドに横たえる
馬鹿なことをした
そんな気がした
躰を横に向けると、真っ白なシーツが目に入る。その向こうには窓から見える青空があった
私はそのまま寝入ってしまった