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愛しきマーメイド
官能リレー小説 - 学園物

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愛しきマーメイド 9

「じゃあ結果出したら萌さんと付き合っていいの?」
「私は、口を挟まないし邪魔はしないだけよ。水無瀬さんの意思は自分でどうにかしなさいよ」
「……萌さん?」
「とりあえず智樹くんと独占契約してあげるから頑張ってね。先輩に私のせいで智樹くんが駄目になったなんて責められたく無いから」
「わ、分かりました!」
「……じゃあ智樹、アンタは先に帰りなさい。私は水無瀬さんと話が有るから」
智樹は渋々ながらも大人しく帰った。

「で、独占契約なんて言ってたけど智樹で良いの?貴女ってウチの先生が好きなんじゃないの?」
「憧れてたっていうか、ちょっと良いなって思ってただけ……みたいです。だからこそ先輩の話に乗ったんですよ。先生じゃなきゃ駄目!先生以外考えられない!なんて考えなら受ける筈無いですよ」
「まあ良いわ。私としては智樹を上手く乗せて選手として成長させてくれるなら文句は言わないし結果次第では協力もするから」
「で、智樹くんが出る大会って来月ですよね?」
「ええ、大体3週間位先かな。地区予選よ」
「……じゃあそれまで智樹くんには会えないんですね」
「そんなに智樹が気に入ったの?」
「ルックス良し、体格良し、性格もとりあえず問題無さそうで、将来も有望。オマケにあんなに凄いなんて……これじゃ拒否する理由が皆無ですよ」
「智樹の手綱をしっかりと握っててくれるなら智樹1人に拘らなくても文句は言わないし黙っててあげるけど」
「いいえ!智樹くん以外有り得ません!今後とも宜しくお願い致しますお義姉様!」

そして3週間後。
禁欲生活を何とか乗り切った萌は水姫より智樹が大会レコードで全国大会に駒を進めたと聞かされて大喜びするのだった。

水姫は弟の部活ライフを好調にすることで、親の目をそちらに向けたいという意図があった。萌は弟への餌に過ぎない。プレイも羨ましくないレベルと冷笑していた。
要するに、自分は親の干渉が緩くなったのをいいことに部活から趣味に軸足を移したいとの狙いがある。その趣味も授業以外で水着姿を多くの人間に見られることで目覚めたものだった。彼女はまさか自分以外にコスプレという趣味を持っている部員などまずいないと確信していたのに、思わぬ番狂わせがあった。
真琴がそうであった。イベントで偶然にも鉢合わせになったのが運の尽きで、女らしくないはずの彼女がうまく格ゲーキャラになりきれており、大胆さと注目度に部活のときには抱きもしなかった嫉妬心が大きくなる。
そこでコスプレに本腰を入れる為に部活を辞めるとまではいかなくとも、せめて部活動の比重を落としたかったのだがキャプテンでもある水姫では簡単に辞められない。まして親が納得しないだろう。怪我や病気が理由とか良い大学に進学する為に学業に専念するとかなら兎も角、コスプレしたいからなんて頭が硬い両親が認めるなんて有り得ない。そこで有望株の弟に頑張ってもらおうと考えたがメンタルに難が有り実力の割に本番に弱い。そこで水無瀬萌という餌を与えて発破を掛けてみたのだが、想定以上の大成功!オマケに素行不良とまでは言わないがいずれ大きな問題を引き起こしかねなかった萌も智樹を大いに気に入ったらしく大人しくなった。まあ、両者揃って明らかに欲求不満そうなのは問題だったが結果を出した以上は些細な事だ。このまま智樹が全国でも結果を出し続ける様ならただキャプテンをやってるだけの自分は智樹の足を引っ張る様な真似さえしなければ親も然程問題視はしないだろう。
次は自分が真琴を超えてみせる!と気合いを入れる水姫であった。

一方、萌は智樹の大会後の土曜日に智樹とデートに繰り出していた。そして向かった先は……。

「へえ、こんな感じなんだ!」
「な、何か、いかにもって部屋ですね」
ラブホテルであった。智樹としては3週間の間に溜まっていた物をすぐにでも吐き出したかったのが本音ではあるが、いくら何でも女性に対してマナーとかムードとかガン無視で迫る訳にもいかなかった。それに連絡先の交換も出来ず電話やメールすら出来なかったのでまずは普通にデートをしようとした。そもそもデート自体した事無かったのでそれはそれで楽しみでもあったのだ。今日は都合の良い事に親も帰って来ないらしく萌の都合次第ではあるが多少帰りが遅くなっても問題は無い。だから、じっくり……と考えていたのだが、萌が行きたい所があるという事で着いた所がラブホテルであった。少々面食らったが自分としても大歓迎の事態なので大人しく連れ込まれた。オマケに部屋の選択途中で、
「そうそう、今日は智樹くんというか先輩の家に泊まるって設定になってるから」
水姫の手引きもあって今日はお泊まりデートなんだそうだ。

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