君の人生、変えてあげる〜第2部〜 8
僕が生徒会役員になったところで安堵してはいけないかもしれない。子愛さんがどう考えていて、どんな行動をとってくるか、まだ全然わからない。
「共学化以外で、何かやってみたいこと、考えていることはあったりするのかな」
「今はあまり考えてないです…これから役員として仕事をしていくうちにいろいろ思いつくこともあるかもしれません」
「酒本くんには皆さん大きな期待と可能性を抱いています。今後の活躍を楽しみにしたいですね」
「はい、精一杯頑張っていくつもりです」
英美里さんによるインタビューが終わる。
周りに集まってきた人たちから、拍手が沸いた。
そんなに緊張せずに終わることができた。
「おつかれさま」
「かっこよかったよ」
飛鳥ちゃんや海里ちゃんが口々にそう言ってくれる。
それからは普通にご飯を食べて、5、6時間目を経て、放課後、生徒会本部室に行く時を迎える。
荷物をまとめて出る準備はできた。顔合わせと初めての軽い話し合いが終わればそのまま帰るつもりでいるからだ。
「頑張ってね」
「うん」
胡桃ちゃんや海里ちゃんからそう言われる。
「たっくん、会議の部屋まで案内しようか」
みさちゃんが僕の机まで来て言う。
「うん、お願い」
僕は立ち上がって手早く荷物をまとめて、みさちゃんと教室を出る。
廊下を歩いている途中で、同じく生徒会役員になったみどりちゃんと合流した。
「やっぱ緊張するよ。たっくんと、みさちゃんと、行けてよかった」
「緊張することないと思うけどね。お姉ちゃんは誰でもウェルカムな人だからきっと大丈夫」
みさちゃんは笑って言う。
「いや、でも先輩たちと話すことってあまりなかったしね〜」
「うんうん」
みどりちゃんの言葉にうなずく。
そんな話をしてるうちに生徒会室と書かれた札のかかった扉の前にやってきた。