君の人生、変えてあげる〜第2部〜 58
さすが、委員長。飛鳥ちゃんが直ちに動いた。
他の人から返事が来る前に、クラス全員グループに状況説明メッセージを送り
「手伝いに行きたい人、調整しよう」
「どんな手伝いが、どのくらい必要か、明日私と数人で行ってたっくんと話そう」
のような呼びかけをした。
飛鳥ちゃんに感謝のメッセージを送って、その日は風呂を済ませ、少し早めに眠りにつく。
母さんがいない間に、クラスの誰かがここにきて、一緒に生活して、そして―
少し、行き過ぎた妄想が浮かんだ。
まあ、そういうことももしかしたら。母さんにはとても言える話ではないが。
翌朝、飛鳥ちゃんから早速メッセージが来る。
「たっくんのお家に行くのは―」
飛鳥ちゃん、莉緒ちゃん、綾ちゃん、歩ちゃんの、4人が来てくれるという。
翌日午前中に、四人は来てくれた。母さんは大層喜んでくれて、家のいろいろなこと…どうやってガスをつけるのかとかお風呂を沸かすのか、とかを教えていった。
そして、昼食は、母さんと飛鳥ちゃんたちが合同で作ることで母さんはキッチンのほとんどすべてを飛鳥ちゃんたちに伝えたようだった。
「いきなりでごめん」
「大丈夫だよ。たっくんが困ったときはクラスみんなでサポートしなくちゃ」
「ありがとう」
母さんは忙しそうなのに凄く喜んで仕事に行った。
「僕が女の子と仲良くなるなんて思ってなかったみたいでね」
「たっくんのお母さん、ウチのOGなんでしょ?」
「うん…理事長と同学年で」
飛鳥ちゃんの言葉に僕はそう応じた。
「「そうなんだ」」
何人かからそういう声が上がる。
僕たち五人は同じテーブルを囲んで、僕が『お誕生席』っていう感じで昼ごはんを食べている。