君の人生、変えてあげる〜第2部〜 42
「「キャー!」」
これは、悲鳴ではなく、歓声と言っていいと思う。
「ねえ、たっくん、誰からヤりたい?」
海里ちゃんが笑顔で尋ねる。
「え、ええっ」
「困るよねえ。じゃあ、目をつぶって、手を伸ばして、くるっと回って。一番最初に手がぶつかった子と最初にヤる」
言われた通り、いったんみんなと反対に振り向き、目を閉じる。そして手を伸ばす。どこにいるのか……
「あっ」
僅かに誰かの腕に触れた。
「はい、たっくん、目開けていいよ。こっち向いてね」
海里ちゃんの声。
もう一度振り向くと、一番前には綾ちゃんが立っていた。
綾ちゃんは、制服のまま、そこに立っていた。
「よろしく…」
綾ちゃんは、うつむいて、いつもの淡々とした口調そのままに言い、僕の方に歩み出た。
僕は両手を取った。綾ちゃんは握り返した。そうして眼を閉じた綾ちゃんの顔に近づき、キスをした。
(多分、綾ちゃんは初めてだ)
そう感じた僕はゆっくりと舌先を綾ちゃんの唇に押し込み、開いた瞬間に一気に綾ちゃんの舌に絡めた。
「うぅぅぅっ…んんんんっ…!!」
激しく身震いした綾ちゃんに、思わず動きを止め、唇も離す。
「ごめん。大丈夫?」
「私こそ………ごめん……。ここまでは、研究不足…………」
「苦しめちゃったみたいだね」
僕は、綾ちゃんをそっと抱き締める。綾ちゃんも僕の後ろに手を回していく。
「大丈夫?」
「うん、ありがとう…暖かい…これは、ちゃんと研究した…」
綾ちゃんは僕の後ろに回した手をだんだん引き寄せていく。