君の人生、変えてあげる〜第2部〜 40
海里ちゃんは手を奈緒ちゃんのうしろに回したようだった。ここからは何をやったかよく見えない。
「きゃ!」
「そうだけど、キミもセックスしたいんじゃないの?」
「あー、そうだよぉ。認めるよ」
「よし!この後たっくんとセックスしたい人、更衣室集合!」
海里ちゃんはクラス全体に届く声を出してそう言った。
「まあ決まったことだからダメとは言わないけど、あんまり大きな声では言わないでね、海里」
飛鳥ちゃんはそう言って帰り支度を始める。
海里ちゃんは先に更衣室へと向かった。僕は後で合流するため少し時間潰し。
『参加者は6人…有佳、天音、由佳里、奈緒、私……ああ、あとひとりはたっくんが来てからのお楽しみで』
「あと、みんなお昼ごはんどうする?」
「パンとか買って向こうで食べる」
じゃあ、時間潰しは僕も適当にパンとか食べていこう。
そう思って、僕は少し時間を置いて購買に行って、残り少なくなったパンと缶コーヒーを買った。
すれ違う人も疎らで、校舎に残っている人も少ないことを感じさせる。
それと同時にこのあとやってくるであろう出来事に胸が高鳴ってくる気持ちもあった。
ちょっとの間ベンチに座って買ったばかりのパンとコーヒーを飲んでお腹を満たす。
ゴミ箱に袋と缶を捨て、僕は更衣室に向かった。
『準備中』
更衣室の前にやっつけで書いたような張り紙がしてある。海里ちゃんがやったのだろうか。
「たっくん。もうちょっと待機」
「…綾ちゃん?」
扉の向こうから声が聞こえる。
「綾ちゃんが来るとは思わなかった」
「しっ、静かに。誰かに聞かれてない?」
僕はあたりを見まわした。
「うん、廊下には誰もいない」
「でも、だれか来るかもわからないから、ちゃんと男子更衣室の方から入って待ってて」
そして、扉の向こうの人の雰囲気はひとまず薄れた。