君の人生、変えてあげる〜第2部〜 31
「たっくん」
会話が途切れたタイミングで、飛鳥ちゃんが僕に呼びかけた。
「うん、何?」
「おととい言った、たっくんとみんなの関係を話し合おう、っていうの、明日の四時間目の総合の授業を使わしてもらうことになったよ」
「ああ、わざわざ…僕に関する為の時間をとってもらうなんて」
「薄々わかってる人もいると思うけど、改めてみんなと話し合おうってことでね。三上先生も快諾してくれて、一緒に話を聞くよって」
「ああ…」
僕の中であの乱れに乱れまくった佐智子先生の姿が浮かぶ。
クラスのみんなは絶対知らない事だろうな…
昼食が終わり、みんなで教室に向かう。
歩いている途中、さっちゃんがふっと隣に来て、そして耳打ちする。
「放課後時間ある?」
僕は首を縦に振った。
「更衣室来て」
さっちゃんはそういうと再び離れていった。
午後の授業も何事も無く終わった。佐智子先生も話を手短に済ませて解散となる。
「明日の4時間目、私も参加させて欲しいな」
と佐智子先生が言ったのには僕だけ少しドキリとさせられたけど…
「ぜひ先生もご一緒に」
飛鳥ちゃんは快諾していた。
「たっくん、ちょっとだけ、待ってね。私先に行ってる」
さっちゃんが小さくそう言って教室を出て行った。
そしてしばらく後に僕も更衣室に向かい、いつものように男子側の入り口から入る。
あれ?
そこには狭い部屋。女子側につながる扉は今は全て閉められていた。
「たっくん」
ほどなく、その扉が開いて、さっちゃんがこっちに入ってくる。
「よく考えると、放課後着替えに来る人はいないわけではないんだよね」
さっちゃんは後ろ手で扉を閉め、声を落とす。
「だけど、こっち側でなら、二人きり」