君の人生、変えてあげる〜第2部〜 25
天音ちゃんは速やかに下まで全部脱ぎ終わった。
「たっくんも、どうしたの?」
「えっ?」
天音ちゃんを見ていて、僕自身はまだ全然脱いでいなかった。
僕も急いで、まず上半身を脱ぐ。下半身はちょっと躊躇する。大きくなっていたから。クラスメイトの裸はもう随分見慣れたけど、天音ちゃんのさっきの温もり、これから一緒にシャワーブースに入ることの想像、と目の前の魅力的な体が合わさって、そうなってしまっていた。
まあ、でも、クラスメイトのみんなも、僕の勃っているモノはもう見慣れているだろう…僕はジャージのズボンとトランクスを一気に取り去った。
当然、と言ってしまっていいのか僕のソコは興奮しかけていた。天音ちゃんが服を脱ぐ前にも何人かのクラスメートの裸やそれに近い姿を見ていたから仕方ないのだが…
「たっくん、早く」
「うん…」
天音ちゃんに促される。
そんな時、背後から声がかかる。
「たっくん、もしアレなら少し遅れてもいいから。先生にも言っておくよ」
「飛鳥ちゃん…?」
着替え終わっていた飛鳥ちゃんはそう言って更衣室を後にした。
シャワーを浴びる人のピークは過ぎつつあるようで、シャワーから上がって体を拭き服を着直す人が多くなってきた。僕と天音ちゃんは待たずにそのままシャワーブースに入った。
天音ちゃんが正面にあるお湯の蛇口を捻ると、温かいお湯が頭上から降り注ぐ。熱過ぎず程よい感じだ。
「一緒に浴びてもいい?」
「いいけど、狭くない?」
「大丈夫。たっくんと一緒だから」
2人で一緒にシャワーのお湯を浴びる。会話は止まる。天音ちゃんがすごく近いところにいる…時々腕が当たってしまう。天音ちゃんは気にするそぶりも見せず、鼻歌交じりに気持ち良さそうな顔をしている。
「たっくん…あの、足怪我したとき、ありがとうね…ちゃんとお礼言おうと思ってなかなか機会なくって、遅くなってごめん」
「え、いや、大したことやってないけど…」
「ほんとは、あの選挙祝勝会のとき、クリーム塗って、っていうの、けっこう参加するつもりだったんだよ」
あの、何人もの人が雰囲気に支配されたと思えて、考え直してもらったあの出来事…
「でも、こうやって、たっくんの近くにいられて…うれしい…」