君の人生、変えてあげる〜第2部〜 19
「振り回すような感じの人なんですか…運動部に詳しいってことは、何か運動部も入ってるんてすか?」
「入ってるわけじゃないけどいくつかの部に時々助っ人に行ってる」
「そうなんですか」
いくつか助っ人に行ってる、ってことは、スポーツ万能なんだなあ、と思った。
「あの、湯沢先輩って生徒会本部の中で浮いていたりすることはないんですか?」
秋ちゃんのお姉さんは本来は共学化反対だった。
「彼女は私みたいな気難しいタイプだよね。私だって浮いて見えるんじゃない?」
「景さんは、今は全く」
「そう見えるのはたっくんのおかげかもね。彼女も大丈夫だと思う。相木は全体に気を使っている。小山内さんや榊原さん、磯村さんもそのうち慣れてくれると思う」
景さん、佳奈さんとは接点無いんだろうか。
「たっくんも、一緒に加わった1年生をフォローしてあげてね」
僕はここに来る直前まで一緒だったみどりちゃんを思い浮かべた。
みどりちゃんは、多分あの中で接点があるのは僕だけだろう。そう、僕が、フォローしなきゃ。
そういえば、あのときは全然「今日どうだった?」的な話はしなかった。
「はい!みどりちゃんフォローします」
「いい返事だね。私もたっくんに期待してる…一緒に生徒会で仕事できるのが嬉しいから、私からも彼女が馴染めるよう環境をつくっていきたい」
「ありがたいです」
景さんとそう話して、その日は家に帰った。
帰り道の途中、ふと思い出して美空さんたちのグラビアが載った雑誌を買った。
知ってる人たちがこうして活躍してる姿を見るのはとても嬉しいことなんだ。
帰ってから改めてみどりちゃんに「今日どうだった?馴染めそう?」というメッセージを送った。すぐにはへんじはなかった。
夕食後、買った雑誌を開いた。美空さんのページに高校生活のことがちょっと載っていて、それは遠くの話でなくてすぐ近くの話なんだと思うとちょっと楽しくなった。