君の人生、変えてあげる〜第2部〜 16
そもそも、景さん以外にこの寮に誰がいるかもわからないし、寮の管理人さんにも会ったことがない。
将来共学になるとここにやってくる男子もいるだろう…
脱ぎ散らかした服を着ながらいろいろ考える。
学校の未来のために話し合うことはたくさんある。
「……………あー、なんか凄かった」
景さんが目を覚ます。
景さんは僕と目が合った。
「あ、ごめん、私、結構寝てた?」
「いえ、ほんのちょっとですよ」
景さんはティッシュを手に取りながらゆっくり立ち上がる。
「シャワー一緒に浴びてく?」
「ええっ、いいんですか?女子寮なのに?」
「シャワーブースの一つが、どっちも使えるようになったんだ」
それには少し驚いた。
「本当ですか…いつの間に?」
「将来のことを見据えて寮のルールも少しずつ変えて行こうという話になってるみたい」
景さんはクローゼットの引き出しをゴソゴソと漁り、タオルを取り出すと僕に向かって一枚放り投げた。
「ここに男子が入る可能性も決してゼロではない。まあ私の場合目的は…ね?」
僕達はシャワー室に向かって廊下を歩いていく。
途中、一人のジャージ姿の女子とすれちがったが、特にこちらのことを変に思った様子はなかった。
景さんが浴室につながる脱衣室の扉を開ける。
「ここにカーテンを付けて、こっからこっちに男子も入れるようになったんだ」
簡単にカーテンをつけただけのような構造だけど男子が入れるようになったのは大きな進歩だろう。
「景さんが僕を連れてきてるのって、もしかして寮にいる他の人たちも知ってるの?」
「みんな大したことじゃないって思ってるよ。管理人もOK出してくれたし」