学園ご意見所X 98
ガチャリと準備室の扉が開いて、裸の潤くんが現れる。
精液まみれの潤くんは、可愛らしいメスの顔をしていた。
「あら、楽しんだみたいね」
「うん、久しぶりにオチ◯チン堪能したよ♪」
白木さんと取り巻き達があんぐりと口を開けて固まっている。
精液まみれでニコニコする潤くん。
私に近づき抱きついてくる。
「助けに来てくれてありがとう、ひなたちゃん!」
「自分でどうにかした癖にっ!強いぞ潤くんっ!」
いつの間にかひょっこり現れた梓センパイが準備室を覗いて『魂までヌカれとるわね』と感心するように言っている。
まぁ、潤くんも小動物に見えて精力はケダモノ級だし、テクは一級品なのだ。
「さて、白木美緒・・・」
「なっ、何よっ!」
フルネームで呼ぶ愛華センパイ。
そして半ばやけっぱちの白木さん。
「あなたと、そこの子達も行っていいよ」
「なあっ?!」
まさかの無罪放免だ。
「白木美緒・・・あなたは罰する価値が無い・・・そして取り巻きの子達はそんな彼女について行く意味を考えなさい」
愛華センパイの声は、優しさも冷たさも無く、奇妙に平坦だった。私達が「あなたは罰する価値が無い」の言葉の意味を知ったのは五日後。
その日には、緊急の全校集会が開かれた。
校長先生から発表されたのは、前日夜に白木さんの自宅でガス爆発による火災があり、白木さんが今朝亡くなった・・・集まっていた取り巻きの娘達も大火傷を負って重体というものだった。
その日、昼休み。
空は雲ひとつない快晴。
「これで、良かったのかなぁ…」
紙パックのコーヒー牛乳を一口飲んで、ため息をつく。
「それが彼女たちが選んだ道じゃないかな」
隣でしんみり呟く唯ちゃん。その横で黙ってうなずく伊瀬ちゃん。
「違う意味でうちのクラスの雰囲気がね」
「そのうちあるべき姿になるんじゃないかな」
私と同じようにため息するノナちゃんに、唯ちゃんがそんなことを言う。
今現在、30人居た筈の4組で登校してるのは4人のみ。
この騒動の責任を取らされる形でアンリ先生が自宅謹慎になっている為に、夏休みまで少しの間は4組は自習になってしまっていた。
白木さんの爆発事故の件も、愛華センパイの口ぶりから報復なのかとガクブルしてしまったが、よく聞くとそうでは無かった。
白木さんの取り巻き同士が責任の擦り付け合いから仲違いして、白木さんが一部の不満分子をリンチ。
リンチされた生徒がキレて、白木さんの家の倉庫でガソリンぶち撒けて火をつけたらしい。
つまり、壮絶な自爆なのだ。
更に白木さんの両親も巻き込まれた事で、白馬建設では親族同士が仲違いして、こちらも大変らしい。
結局、愛華センパイの言いたかったのは、白木さんのグループが仲違いで崩壊するから裁く必要が無いと言う事だったようだ。
それで死人が出たのはショックだが。
その結果、白木さんの取り巻き男女16人が巻き込まれて3人が死亡で、残りも学校生活に復帰できなさそう。
それ以外でやや白木さんに協力していた10人余りの生徒も、ショックで登校できていない。
そう言う事で、今4組は4人だけしか登校していなくて・・・
桜庭先生情報によると、2学期から4組は解体され、生徒達は他のクラスに振り分けになるとの事だ。
しかも直接関係ないアンリ先生も、新聞沙汰の大騒ぎになったから指導責任を問われて自宅謹慎と、何とも後味の悪い結果になってしまっている。
「ふぅ・・・」
この結果にため息しか出ない。
ノナちゃん達にはクラス再編の話は言ってないけど、登校している私達4人は翼のクラスに編入らしい。
それはいいのだが、やっぱりため息しか出ない。
昼休みも後半にさしかかり、私とノナちゃんは教室に戻る。
4人だけの教室は広くて夏なのに寒々しい。
私達が教室に帰ってきた所、残る2人の生徒もいた。
その2人の生徒はしょげ返った様子で私に視線を向けた。
「西浜さん・・・」
躊躇いがちに2人・・・
大前さんと栗林さんが話しかけてくる。
この2人、霧香センパイに攻略されてさっさと白木さんグループから抜けた子達だ。