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学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

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学園ご意見所X 66

「お願いっ!リバちゃん、言う事聞いて!」

奈緒美の懇願にもウララリヴァーはどこ吹く風。
鞍上を無視して気持ち良く走っていた。

実は彼女・・・
本人は自身喪失しているが、騎手としてのセンスは実は抜群のものがある。
抜群のタイミングでスタートが切れたり、今みたいに無意識に馬を快適に走らせる騎乗ができるのだが、無意識故に制御できず暴走させる事が多い。
今回もまさにそのパターンだ。

そんな鞍上の嘆きを誰も気に留める事無く、レースは第3コーナーへ。
有力馬はウララリヴァーを追走する事無く互いを牽制。
その差は10馬身以上と大逃げの体勢だった。

それにスタンドからは歓声。
実は鎌田奈緒美が騎乗すると、歓声は三割増しとか言われている。
ナオマニアと呼ばれる固定ファンが居たりもするのだ。
因みにナオマニアは全員双眼鏡を持ってくるのが通例で、それはレースを見るのではなく鞍上でプルンプルン揺れる彼女のおっぱいの鑑賞の為であった。

「う、うぅぅぅ、もう、もう…先生、ママ、ごめんなさいぃ…」

涙目で手綱を持ったまま、第4コーナーへ。
2番手との差は5,6馬身ほどに縮まったが、ウララリヴァー自身はまだまだ余裕といった感じ。
スタンドは大歓声。

「えっ、ウソ…」
奈緒美自身は暴走気味の大逃げと勘違いし、直線でバテると思っていた。
しかし、実際には後続各馬との差が縮まらない。むしろ開いているようにも見えた。
ターフビジョンの大画面に映るのは、独走する自分自身とパートナーの愛馬の姿。

ウララリヴァーの脚は衰えることなく、1着でゴールを駆け抜けたのだった。

そして、スタンドでは・・・

「ちょっ!嘘でしょ?!」
「えーっ!こんなのありー?!」

半分パニックで抱き合うこころ先生と遥先生。
買ってるのは単勝で安いと言えど60倍くらいの倍率だった気がする。
確か千円賭けたから・・・ろくまんえん!
私もぽかーんとしていた。

「持ってるね、桜庭先生」
「いいや、持ってるのは愛華さ」

ジャンクフードを頬張りながら言う梓センパイに霧香センパイも微笑む。

そしてウィナーズサークルの方へ行くと、重賞だけにさっきより色々豪華。
関係者の人たちも多くてみんな笑顔だった。
騎手の人は何だか号泣していて、その背中を関係者らしい女の人が背中をさすりながら付き添っている。

「彼女、重賞初勝利だってね」
「それであれだけ泣いてるのね」

こころ先生と遥先生の会話をかき消しそうな勢いで周囲からナオたーん!と言う野太い歓声が飛ぶ。
やっぱり美少女だけに男のファンが多いみたいだ。
これでベテランだと手を振り返すとかあるんだろうけど、彼女は泣いたまま。
やってやったぜ感のドヤ顔に見えるウララリヴァーとの対比が何だか面白い。

「おっ」
「来たねー」

しばらくして桜庭先生もウィナーズサークルに姿を現す。
さっきよりも明るく、満面の笑顔。周りの関係者の人たちと握手を交わしている。
そして、ウララリヴァーに乗っていた騎手の女の人のところに。

興奮が冷めない桜庭先生。ちょっとテンションが高め、こんな姿は見たことない。
一方の騎手の彼女はまだ泣いていた。

「いつまでも見ていたいシーンですね」
「おっと、来ましたか」
さっきも同じようなタイミングで現れた原さんという女性が愛華センパイの隣にやってきた。

「準備が整ったので、皆さんをご招待しますね。後ほどお嬢様と、あの彼女も合流しますので」
「彼女?」
「うん、あの人。鎌田騎手ね」

そんな話をしていると霧香センパイが原さんの隣に来る。

「場所はチェリープラザホテルでいいのかな?」
「はい、お部屋は用意していますのでお召替えはそちらで」
「じゃあ、そちらに運ばせておくわ」

事務的な打ち合わせをすると、霧香センパイが何処かに電話をかける。

「うわぁ、霧香センパイ手際がいい」
「愛華の執事さんみたいなものだからね」

関心する私に梓センパイが言う。
霧香センパイならスーツ姿で執事とかやっても絵になりそうな気がしてきた。

「では、こちらへ」

原さんに促され、私達はその場を離れたのだった。


ホテルの部屋に案内された私。
ぽかーんと空いた口がなかなか閉めれない。

「ここ、お部屋なんですか?」
「うん、ロイヤルスイートね」

何か想像以上に豪華な部屋にスタッフさんらしき人達が荷物を運んできた。

「ここって一泊おいくらまんえん?」
「百万ぐらいじゃないかな」

聞いてひょえーと声を上げるこころ先生と遥先生。
私もそちら側の庶民なので、ひょえーとしか言えない方だ。

「つ、翼はこんな所泊まった事ある?」
「私も流石に普通のクラスしか無いわ」

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