学園ご意見所X 57
次の日からの学校でも、変わらない日々をセンパイたちと一緒に過ごす。あれは紛れも無い事実ではあるけど、いつまでも引きずるのはやめた。センパイたちはセンパイたちなのだし、そんなセンパイたちが大好きなのだから。
「ミクちゃんからなんか封筒を授かってきた。なんでも菊沢先生が落としたとかなんとか」
愛華センパイがその封筒を机に置く。
ミクちゃんというのは渡部美来先生、私たち女子の体育の先生。可愛いけど双子の娘がいるパワフルな人。
菊沢先生というのは男子の体育の先生で、今年からの新任の先生。潤くん曰く体育教師らしくない優しい人だとか。
「中身見るんですか?」
「見なきゃ始まらないでしょ」
愛華センパイが封筒を開けた。中からは菊沢先生と女の人とのツーショット写真が出てきた。
しかもその写真と言うのが・・・
「見事なハメ撮りよね」
私と共に覗き込んだ翼が関心したような声で言う。
そう、それは菊沢先生と女の人のハメ撮りだった。
しかも複数である。
「この子、ウチのクラスの三富さんね、これは3年の浦沢先輩かしら?」
「こっちは2年の宇野さんね・・・あらまあ、谷野先生まであるじゃん!」
翼と愛華センパイが女の人の顔を見てそんな事を言う。
谷野先生と言えば投書で筆下ろししたいと言われたあの谷野恵子先生だ。
「なかなかやるわね、菊沢先生・・・ミクちゃんも口説かれたとか言ってたわ」
ミク先生も谷野先生と同じくシングルマザーだけど、確か38歳。
高校生からアラフォーまで、無差別ぶりには感心させられてしまう。
「イケメンだからお相手複数なのは当然としても、危機管理としてどうなの?」
翼の言葉に同意見だ。
イケメン先生の女だった私達からすれば、イケメンが複数相手するのは当然だと思うし、むしろ1人に拘る方が資源の無駄とも思っている。
でも、ハメ撮り写真をぞんざいに扱うのは危機管理としては頂けない。
因みにイケメン先生とは私や翼もハメ撮りは結構多く撮って貰った。
お母さんやはーさん、さっちゃんも同様で、イケメン先生は基本私達にハメ撮り画像を渡してくれていたので、どこかで出回っていると言う事は今の所無い。
私達がお互いに見せ合いしている程度だ。
そして最近は潤くんとのハメ撮りも保存ファイルの中に溜まってきている。
まぁ、そんな事もあってハメ撮り自体はいいとは思うが、管理できていないのは頂けない。
「わざと落とした説はないかな?」
「うーん、それでミク先生落とせるかなぁ」
管理がユルユル過ぎてわざとかなと一瞬思うぐらいだ。
「私としては、菊沢先生と女の子達が楽しいセックスライフを送っているなら応援したい派だわ!」
ビッチとヤリチンには優しい愛華センパイらしい言葉・・・
まあ、私もそうとは思う。
「あと、ミクちゃんにはいいお相手探してあげてって娘ちゃん達からも言われてるんだけどねぇ」
ついでに愛華センパイはそんな事を言う。
ミク先生の娘さんは確か小学6年生。
愛華センパイはご近所に住んでるらしく娘さんとも仲が良いみたい。
「娘ちゃんたちのお父さんは小学校に上がる前に病気で亡くなっててね、それからはミクちゃんがたくましく育て上げたわけだ。だからかお母さんに似てとてもパワフル」
「へぇ」
「ミクちゃんは何でも一人で頑張り過ぎだと娘ちゃんたちは心配してた」
「愛華センパイはミク先生と菊沢先生がくっつくべきと思ってるのですか?」
「イケメンかつ精力十分、母子共々可愛がってくれるならありと思うわ」
愛華センパイの答えは私も同感だった。
私もイケメン先生に母子で可愛がられたから、親子丼が幸せ派ではある。
「でも、このハメ撮り流出とか見てると、そこまで全幅の信頼を置けるかは分かりませんよね?」
翼がそう言うが、それも最もだ。
「だから調べなきゃね!」
はい、そうなりますよね・・・
そして、調べる方法はアレですよね。
「菊沢先生を呼んでパーティするわ・・・参加者は私と霧香、友梨奈に梓・・・」
四天王揃い踏みとは凄い。
と言うか羨ましい。
「それに、保護者名目でアンリ先生、こころ先生、遥先生にも声かけるわ」
「豪華ですねぇ・・・でも、アンリ先生男いけるんですか?」
「穴が空いてるから大丈夫よ!」
それでいいのかと思いながら聞いてると、愛華センパイは最後にニヤッと笑った。
「勿論、ヒナちゃんと翼ちゃんも参加ね」