PiPi's World 投稿小説

学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 52
 54
の最後へ

学園ご意見所X 54

そんな話をしながら私は思い出す。
ビデオで見せて貰った綾さんの試合内容なら、充分あの元用務員に勝てた気もする。
何せ愛華センパイが蹴り倒せたのだ。
プロレスラーなら余裕だろう。

そう思って言葉を発しようとする直前にドアが開く。

「失礼しますぐらい言いな!」
「ごめんごめん、誰もいないかと思ったんだ」

現れたのは霧香センパイ。
ショートパンツにタンクトップ姿。
お腹周りの筋肉がよく見えて眼福な格好だった。

「おっ、オレの可愛いヒナがこんな所に!」
「お邪魔してます!」

まあ、ここに霧香センパイが居るのは当然な事で・・・

「綾さん、練習生のロードワーク終わったからシゴいてやってよ」
「ん、じゃあルカさん、ひなたちゃん失礼するね」

そう言って綾さんが席を立つ。
霧香センパイは走ってきたとは思えないぐらい元気な様子でウオーターサーバーから水を飲む。

「愛華のヤツ、スパーリングは真面目にするのにロードワーク嫌うからなあ」
「別にうちでデビューする訳じゃないからいいんだよ」

親子でそんな会話。
しかし親子揃ってカッコいい。

「今から部屋に戻るからヒナ借りてくよ」
「借りもんじゃないんだから本人に言いな!」
「本人の意思はどうでもいい、オレの可愛いヒナだから」

私の意思はまるっと無視。
でも、霧香センパイならいいやと思ってしまうイケメンぶり。
多分うちの学校で霧香センパイのお誘いを断る女子は少数派だろう。

「ご一緒させてもらいます!」
「流石はオレの可愛いヒナ」

ルカさんにお礼を言って私は霧香センパイの部屋に付いていく。
霧香センパイもこの道場付属の寮に住んでるみたいだ。

「ここがオレの部屋だよ、入って」

意外とこざっぱりとした部屋。
余分なものは転がってるダンベルぐらいのものだろう。

「ひとっ風呂浴びてさっぱりしたいんだけど、まあそれは後にして・・・」

そう言った霧香センパイが私を見る。

「愛華がここに来て腕を磨いてるのには理由があるんだよ」
「プロレスラーになりたいからですか?」

私の問いに霧香センパイが微笑む。

「まあ、プロレスは好きと思うよ愛華は・・・でもそれ以上に鍛えてるのは、弱いからさ」

意外過ぎる答えに私は戸惑う。
愛華センパイが弱い・・・
そりゃあ本職に比べたらそうかもしれないけど、少なくとも私には弱い要素が見当たらない。

「オレだって弱いさ・・・弱いから鍛える、簡単な事さ」
「霧香センパイが弱いなんて言ったら、私なんて戦闘力5ですよぉ」

一体何を基準に弱いと言いたいんだろう。
私の知る愛華センパイと霧香センパイは気高く強い存在だ。

「オレや愛華もどれだけ鍛えても男の前ではメスに過ぎないんだぜ・・・そんなもんだよ」

衝撃的な言葉だ。
まず霧香センパイの口から出る言葉とは思えない。

「小学六年の時な、まだ自分達が無敵だって信じてた頃・・・夏休みにちょっと危ない所に愛華と2人で探検に行ったのさ」

思い出すように霧香センパイが言う。

「そこが運悪い事に犯罪組織のアジトでね・・・オレ達は取っ捕まった訳」

苦笑気味に言うが、ちょっと尋常じゃない出来事だ。

「もしかして・・・」
「ボコボコにされたよ、プロの暴力集団たからね・・・で、輪姦されて口封じに売っ払う為にクスリ打たれて調教さ・・・半月ぐらいして助けられたけど、オレも愛華もチ◯ポ狂いの廃人にされてたさ」

えげつない話だ。
私のレイプ所の話ではない。
愛華センパイに男の影が無かったり、そう言う無理矢理な行為を嫌うのはそれが元かもしれない。

「まぁ、精神的な回復は何とかぼちぼちだったけど・・・身体の方がね・・・オレも愛華も木嶋社長の事務所のAV男優にしてもらいながら何とか普通に暮らせるようになったのさ・・・だからオレと愛華は小6の秋から中2まで表向きは留学してた事になってるのさ」

2人が私や友梨奈センパイ、梓センパイに優しいのはそんな経験からかもしれない。
道理でビッチに理解ある訳だ。
そして木嶋社長との繋がりも理解は出来た。

「今でもそうなんですか?」
「そうだよ、生理前後とかは狂ったように男を欲しがるメスになるね、オレも愛華も」

どこからどう見ても肉食系女子の霧香センパイはともかく、正統派美少女の愛華センパイが狂ったように男を求める姿が想像できなかった。

「その時は…」
「事務所の男優さんに抱いてもらうんだ。そんときの愛華はひときわエロくて、そして可愛い」
「センパイそれしか言いませんね…」
「真理だからな」

あの時のことをまた思い出す。
あの用務員のおじさんを蹴っ飛ばして、意識朦朧の私を救ってくれた時、愛華センパイはボソッと言った。

「あなたで最後にする」と。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す