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学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

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学園ご意見所X 51

「この時は甲子園でも快進撃だったみたいでね、『小松台旋風』なんて話題になったんだとか。その時のエースが、あのおじさんだったってわけ」

愛華センパイがしみじみ語る。

彼がすべての試合投げ続け、なんと甲子園の決勝まで勝ち進んだ。その決勝は残念ながら延長11回にサヨナラ負け。しかし十分胸を張っていい準優勝だ。

「それでね」
愛華センパイは更にファイルのページをめくる。

「甲子園準優勝が大きく評価されておじさんはドラフト4位指名でプロ入りするのよ」
「ま、マジですか!そんな過去があったなんて…」

野球部の使うグラウンドで、チームメートたちに胴上げされる大桑投手。
とてもいい笑顔だ。

「その球団のドラフト1位は甲子園の決勝で投げ合った相手だったそうで、3球団による抽選で当たりを引いたとあるわね」
「でもどうしてそんな人が」

愛華センパイは神妙な表情で私を見て、言う。

「プロ指名された時にはもう、彼の肩と肘は限界を迎える寸前だった」

「いい投手がいないと、一人への負担が大きい。芸能事務所でもそうらしいわ」

不幸な時代の犠牲者だったと言える。今なら甲子園で優勝しなくても直接プロテストを受けたり、渡米して向こうの大リーグを目指したりもできる。
それに、当時から甲子園で勝てる方法でプロには通用しないと言及されている。
考えてみれば、バットの材質から球場まで違うのだから確かにその通りだ。

「結局はチームと監督やコーチに踊らされてたってわけね」
「その当時の顧問もいないし、彼も指導者の地位に就けずに学校のお情けで用務員で飼い殺し…」
「それにしても、この学校が野球の強豪校にならなくてよかった。男子の都合で応援とかに駆り出されるの嫌だし」
「さっき、悲しいお話って、言いませんでした?」
「最後が最後だから、やっぱり自業自得ね。例え将来エロで成功できても、好きでもない相手に処女を奪われるのはね…」
結局、同性愛やビッチも肯定する私達に男のロマンは分からない。ましてや「学園諜報部」は体育会系ですらない。そもそも特定の部に入れ込んでは新聞部みたいな役割の際に中立性が損なわれてしまう。

「過去は過去ってことで、今の役割のほうが大事ね」

私達はご意見投入箱を開けて依頼がないか確認することにした。

「ええと、『ここの男子生徒ならケイコ先生とエッチできるチャンスはありますか?』だって」
「要するにお膳立てしろって訳?」
「見るからにあの先生Sっぽくて怖そうに見えるけど、シャープで確かに大人のエロスって感じ」
ケイコ先生と言うのは、谷野恵子先生の事で科学教師だ。
32歳のシンママで今年転任してきたばかりの先生・・・
つまり、愛華センパイ達も余り馴染みのない先生なのだ。
はっきり言って女性教師の中ではトップクラスに美人だけど、年齢が年齢だけに口の悪い女子生徒からは陰でおばさん呼ばわりされてたりする。
と言うのも、年齢だけでなくかなり厳しい先生らしく、アンリ先生と並ぶSの女王扱いらしい。
女子人気はアンリ先生の方が遥かに上なのは、若干女子に対する当たりがキツいからだとの噂だ。
私が知ってる情報としてはそれぐらいだ。

「まぁ、アンリ先生より筆下ろしは頼みやすい先生かもね」
「愛華センパイはそう見ますか・・・相当キツそうな印象だけど」

「男好きな気はするわね・・・まぁ、あんまり知らないから印象だけなんだけどね」

愛華センパイの予想だけど、勿論私はさっぱりわからない。
そこで愛華センパイが話を変える。

「そう言えば昨日はどうだった?」
「はい・・・」

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