学園ご意見所X 43
「ヒナちゃんの言う通りだと思うわ・・・でも、これはそっとしておいてあげた方がいいかもしれないわね」
私の言葉にそう言う梓センパイ。
同じく私も同じ事を思った。
「そうね、そうしてあげた方がいいわ・・・あっ、そうだ!・・・ついでだからヒナちゃん、ミノルとセックスしてみない?」
梢さんがしみじみとそう言った後にいきなりそんな提案。
少し面食らった。
「えっ、それ・・・いいんですか?」
「問題無いわよ・・・ミノルも一応AV男優だからそこらじゅうでセックスしまくってるからね・・・犬のセックスに一々嫉妬しないわ」
ミノルさんはイケメンだし、テクも凄そうだから嫌では無い。
正直に言えば、AV男優とのセックスは興味が無いと言えば嘘になる。
「奥の部屋は撮影用のスタジオになってるから、そこで一発どうかしら?」
「どうって…そんな場所使ってもいいんですか?」
ミノルさんに興味はあるけど、本格的に撮影する場所を使ってまでとは…
「ふふ、梓はヒナちゃんの才能を見込んで連れてきたんじゃないの?」
「んー、それもあるといえばそうかも」
「い、いや、私はそんな…」
才能って梓センパイ…
「まあまあ、体験してみれば色々分かるかもしれないよ」
そう言ってにこやかなミノルさんに背中を押されるままに私は奥の部屋へと入ったのだ。
奥の部屋に行った瞬間、私は固まる。
そこに居るのは多くの人。
そしてカメラやら照明やら音響の器具。
男の人だけじゃなく女の人も居る。
そこは、本当にAV撮影の現場のようだった。
その中のスーツ姿の女性が私を見ながら近づいてくる。
「やっぱり実物見ると凄いわね!・・・久々の逸材ね!」
「あ、はぁ・・・」
ニコニコ笑う女性に圧倒される私。
「あっ、この人はうちの事務所の社長兼撮影監督の木嶋さんね」
後ろから付いてきた梢さんがそう言う。
「この子、美里すばる級よね!」
「凄く複雑な評価です・・・」
凄い凄いと言われても、それがセクシー系の凄さと言うのが自分でも納得しがたい。
「まぁ、やってみたら自分でも凄さが分かるわ・・・じゃあ、ちょっとお願い」
「はい、じゃあいきましょうか」
「ふぇっ?!」
木嶋社長がそう言うと、私は女性2人に連行されてしまう。
瞬く間に脱がされ、別の衣装を着せられ・・・
ウィッグを付けられ化粧される。
完成した時、鏡の向こうに居るのは・・・
私が知ってる西浜ひなたでは無かった。
「やっぱり!超絶美人ね!」
「お化粧の映える子だと思ってたけど予想以上ね!」
スタイリストさん2人が大絶賛してくれる。
童顔ちんちくりんの私の筈が、そこに居るのは今時のハイセンスな美少女。
いやあ、化粧って凄いよね。
化けると書くだけあるわと、無意味な感想が自分から漏れる。
「でも、このクラスぐらいならグラビアにもAVにも沢山いますよね?」
「ええ、そうね・・・でも綺麗なだけだと売れないのよ、この世界でも」
手を引かれてソファーに座らせられる。
「まっ、とりあえず今のあなたはアリスと言う名の18歳の女の子・・・それを演じてセックスを楽しんでくれればいいわ」
それは身バレ対策だろうか。
多分自分でもこの美少女が西浜ひなたとは思えない。
そう考えたら気楽な気分になった。
「凄いね。すっぴんでも美少女だけどメイクしたらさらに可愛くなってる」
「ミノルさん…」
ミノルさんがやって来て、スタジオに置かれたベッドに座る私の隣に腰掛けた。
着替えたのか白のTシャツ姿。事務所にいたときはお菓子作りの得意な草食系イケメンかなって思ったが、こうして胸や腕をみると鍛えてるんだなと感じさせる。