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学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

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学園ご意見所X 42

プロが見てそう感じるのだから、それが正解なのだろう。そんな世界じゃ私なんて絶対ダメだ。

「ヒナちゃんはそうでもないよ。あの子とはオーラが違うし」
「オーラ…自分じゃ全くわからないです」
「うん、初めてだけど違うなって僕もわかる」
ミノルさんまでそんなことを言う。

「初対面の女の子で、この子と今すぐにでもしたい!って思う子、なかなかいないもんね」

すぐ、抱きたいかぁ・・・
身体だけしか求められないって、複雑な心境だ。

そうこうしてると、ミノルさんがケーキと紅茶を持ってきてくれた。
そのシフォンケーキは見た目も綺麗で、まるでプロの作りに見える。

「これ作ったんですか?」
「そーだよ、僕の手作り」

ニコニコと笑うミノルさん。
イケメンだし、料理もできるのに、どうしてこの人は犬なんて呼ばれているんだろう。

「性格ドクズじゃなきゃ、ミノルくんいい男なのにね」
「まあ、性格ドクズじゃなきゃ、犬になるから養って下さいなんて言わないわよ」

姉妹がそんな会話をしていてもミノルさんはニコニコしている。

「ミノルさんならホストでも成功しそうなのに」
「女の子騙してコマすより、正々堂々寄生した方が楽だもの」

やっぱりある種、プライドが清々しい程欠けている。
ミノルさんは働いたら負け的な人で、その辺りを紺野姉妹がドクズって言ってるんだろう。

「それに、AV男優の給料なんて激安だし、業界でもこのクラスの男なんて沢山いるわ」

「梢さんの言う通りさ・・・僕なんていつでも消える程度だけど、女優さんは商業価値ある限りは切られないよ」

そんなものなのか。
女優より男優の方が厳しい世界のようだ。

「何か私の就職相談みたいで」
「私はヒナちゃんがこの世界で大化けするタイプと思ってるから言ってるだけよ」
「そうだよね、きっと梓ちゃんがやるより遥かに売れる」
「何かそれムカつくー・・・まあ、あたしは愛華についていくつもりだからやらないけど」

評価されても何か複雑。
とは言え、私のこれまでの経歴を考えれば、まともな恋愛対象にして貰えない自覚はある。
最終的に風俗に行くタイプだろうし、かつて離婚騒動の時にそれしかないかもって漠然と考えていた事もあった。

「愛華ちゃんって怖いからお近づきになりたくないなぁ」
「意外です・・・お金持ちだから、寄生しがいがあるのかと思いますけど」

ミノルさんの言葉は意外に聞こえた。
それに私は愛華センパイが怖いと思った事も無い。

「まあ、僕みたいなドクズを許せるタイプじゃないから怖いだけさ」
「そうだよね、愛華ならミノルくん更正させられちゃうものね」

ああ、なるほど。
愛華センパイならそうなるわ。

「さてと、RENちゃんの情報を集めてどうするつもりかしら?」
「どうするつもりなんですかねぇ・・・全部バラすとかはやりそうに無いし」

きっと興味だけで調べてるんだろうけど、そこに別の真意があるのかは分からない。

「ただまあ、彼女はこの業界から抜けたいと言う意思は無いと思うわ・・・どうにかして成功したいと思っているタイプね」

梢さんが紅茶を飲みながら、何かを考える仕草をしていた。

「私が思うに、多分双子のどちらも芸能界目指してたんじゃないかな?・・・そして現実を知って片方が夢破れて、もう片方がまだそれにしがみついているとか」
「あ、今の話ならしっくり来ますね」

未練。現実。
葛城先生くらいの歳になるとそれはひときわ重く、容赦なく突きつけられるものだと思う。
私はまだ余裕があるなんて悠長に構えていたら、あっと言う間に10年なんて来てしまうだろう。

「おそらく、葛城凛と葛城蓮は今、互いの立場を入れ替わって生きているんだと思います。RENが実はお姉さんの凛さん、私たちがよく知ってる葛城先生が妹の蓮さんだと…」

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