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学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

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学園ご意見所X 33

カーテンのこちら側に来たこころ先生がそう言う。

「瀬田さんの癒し効果が凄くてね、こうやってカウンセリングに協力して貰ってるのよ」

これを見れば嫌でも分かる。
凄まじい癒し効果だ。

「発案したのは戸松さんだけど・・・これ、瀬田さん自身も癒してるのよ」

戸松さんの勘って凄いわねと笑うこころ先生。
私もそう思うと言うか、愛華センパイの発想力はいつも驚きしかない。

「ただし、瀬田さんは女の子専門・・・男の子だと性母様になっちゃうからね」
「あぁ、そうですよね・・・」

セックスの時の友梨奈センパイは、何と言うか劇薬だ。
あれはおかしな事になりかねないと思う。

「西浜さんは倉本くんを癒せたんだから、人には得手不得手があるって事ね」

潤くんの名前が出て彼の顔が浮かぶ。
自信無く暗い表情だった潤くん。
顔つきすら変わったと言えるぐらい明るさを取り戻している。
でもそれは私だけでなく、翼や愛華センパイあっての事だと思うのだ。

今日も愛華センパイと翼は潤くんのお世話役。もちろんセックスして身体が満たされるのが一番だけど、潤くんの心を満たすことも大事だから。

「上川さんも、あまり恵まれた家庭環境ではなかったそうでね」
「ああ、やっぱり…」
「生まれてすぐにお母さんが失踪したらしいの…それからはお父さんが頑張って一人でお家を支えてきたみたいだけど…」

「どうも不倫相手と失踪したお母さんが作った借金が大きくて、お父さんがそれを払う為に夜遅くまで働いていて・・・小さい頃からずっと一人で鍵っ子だったみたいね」

そんな話をするこころ先生。
確かに両親が殆どいない家庭と言うのは寂しいと思う。

「でもどうも、そのお父さんが上川さんを可愛がっていなかったようなの・・・虐待とかは無いものの、不倫して借金押し付けた女の娘って扱いだったらしいのよ」

何となく分かる。
私も父から汚いものを見る目で見られたから。
父の「母子揃って色狂いがっ・・・」って吐き捨てるように言う言葉も頭に残っている。
私は周囲が支えてくれたから何とかなったけど、一人だったら壊れていたかもしれない。

「誰も自分を必要としてないと思っていたらしいけど・・・皮肉にもレイプされて初めて自分が必要とされているって思えたんだって」
「だから援交を?」

「そうだと思うわ・・・身体だけの関係とは言え、上川さんにとっては初めて必要とされる環境を手に入れた訳だから・・・」

身体を満たすと同時に心も満たされる。上川さんにとって援交はその為の手段であり今までの穴埋めのようなものだったのかもしれない。

「親の愛情は、とっても大事なものよ」
「はい、すごく、わかります」
イケメン先生との関係は私からいろいろなものを奪った。でもそのかわりにお母さんとの絆を取り戻せた。

「私も、今は大丈夫だけど、もしかしたら人生、道を踏み外してたかもしれないのよね…」
こころ先生がしんみりと呟く。そして、私の方の白衣の襟をずらして見せる。首筋に、不自然な傷跡が見えた。

「私、虐待されてたの」

昔を思い出すようにこころ先生が語る。

「私は母の連れ子でね・・・継父から色々ね」

最近よく聞く子供の虐待死とか、死ぬまでに至らない虐待とかでよくあるパターンの家庭だ。

「私は、アンリさんや絵里子さんって言ういい先輩や聖來みたいないい親友がいたから助けられたし・・・今度は自分が助ける方に回りたいと思ったのよ」

こころ先生のいい笑顔。
いつものふわふわとした笑顔の裏にこんな話があったとは・・・
でも、辛い経験があったから、こころ先生のカウンセリングは暖かいのだろうと思う。

「西浜さんは、絵里子さんに凄く似てるタイプね」
「えっ?・・・それって・・・」

絵里子さんと言うのはアメリカでトップクラスのポルノスターになった美里すばると言うセクシー女優の筈だ。

「絵里子さんが私の継父とセックスして・・・それから継父が優しくなって、今やいい親子関係になれたのよ」

セクシー女優と似てると言われるのは複雑な心境だけど、それは凄い話だ。

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