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学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

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学園ご意見所X 135

「これが夏までの盟成だったら多分歯が立たないだろうけど、今なら付け入るスキはあると思うのよ」
「後半時間が経つごとに疲れてきますからね」
愛華センパイが薄ら笑いを浮かべ、隣で翼が腕組みする。

「盟成のディフェンス陣がへばってきた頃を見て、ウチの切り札の田辺くんを投入すれば、試合をモノにできるわ」
「あー、確かに出てないなと思ったら…ってか田辺くんもそんな凄いの?普段全然そんな風には見えなくて…」

田辺くんも私達の同じクラス。
ホスト的なイケメンの緒方くんとはタイプの違う爽やか系のイケメン。
でも緒方くんとも仲が良くてリア充的な感じもする。
でも凄い選手と言う雰囲気は感じ無かった。

「緒方くんと田辺くんは盟成を初めとした強豪校からスカウトが来た中学でも屈指の選手だったわ・・・その2人ともが小松台に来たのは、強豪校を倒したいからだって」
「動機もイケメンよねそれ」

元から同じクラスだった翼だけに結構詳しい。
むしろ私が知らな過ぎるのかもしれない。

「一年生で10番を任されているからね、田辺くん・・・怪我明けで大事を取ってスタメンから外れたけど、後半はきっと出てくるわ」
「松嶋くんの決定力と田辺くんのキラーパスがあれば盟成と言えど慌てるんじゃないかな」

期待がこもった翼と愛華センパイの言葉に私も期待が高まるものがあった。

「さっ、後半だね」
「うん、期待して応援するわ」

トッコちゃんの言葉にグランドを見る私。
いよいよ後半の開始だ。

後半開始10分くらいは前半とさほど変わらず。お互い一進一退の攻防。

「まだチャンスを掴みきれてないね」
「盟成のディフェンスもまだスタミナはありそうですね」

後半15分ほど。
松嶋先輩がサイドへ長めのパスを出す。それを受ける緒方くん。一気に突破していく…が、盟成の選手と接触。審判がホイッスルを鳴らしてプレーが止まる。

カードは出なかったが、ファール。
ここからこフリーキックみたいだ。

そこで小松台が動いた。
選手交代・・・背番号10番の田辺くんが入ってくる。

「いよいよ勝負に出たわね」
「ここがポイントになるわ」

翼と愛華センパイが期待を込めてそう言う。
蹴るのはその交代した田辺くんみたいだ。
ゴール近くに小松台の選手の多くが上がって行くが、攻撃の要になる松嶋先輩や緒方くんには体格のいい盟成ディフェンスがピッタリと付いている。

私も少し緊張して見ている中でホイッスルが鳴る。
田辺くんが助走を始めてボールを蹴る。
高い弾道のボールは選手達の頭の上を超えて行く。
そのままゴールの上を通過するんじゃないかと思った私だけど、ボールはゴール前でグッと落ちてきた。

ゴールの右隅目掛けて落ちてきたボール。
だけどキーパーが飛びついて弾く。
だけど、そこに飛び込んできた選手が弾いたボールをゴールに蹴り込んだのだ。

「松嶋先輩っ?!」
「凄いっ、あのディフェンス振り切るとかっ!」

翼とトッコちゃんが大興奮。
勿論私もだ。

松嶋先輩のシュートがゴールネットを揺らして小松台が先制点。
笑顔で1年生2人に祝福される先輩は応援している私たちの方にもガッツポーズを作ってみせた。

「点が入るまでは気づいていないフリでもしてたんですかね」
「サッカーに対しては真面目な男でいたいワケよ」

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