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学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

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学園ご意見所X 133

そんなライバル関係のせいか、少し両チーム共にピリピリした雰囲気がある。
そんな中でも小松台の9番・・・
松嶋先輩は凄く落ち着いて見える。

「小松台はエースストライカー松嶋くんを中心に試合を組み立てていくスタイル・・・対する盟成はキャプテンであるボランチの猿橋くんが中心の守りのチームね」

どちらも三年生が引退して二年生中心のチーム。
チームカラーが正反対だから面白いかもしれない。
勿論、サッカーがサッパリ分からない私は、ルールから愛華センパイにレクチャーして貰いながらの観戦である。

「へぇ・・・チームによってポジションの人数も違うんですね?」
「そうよ、システムと言ってチーム毎に配置が違うのよ」

小松台は伝統的に3ー4ー3のシステムで前線に俊足ウイングを配置するんだそうだ。
盟成は2ー4ー4のシステムで中盤からのデフェンスを重視したスタイルだ。

そんな中、小松台の選手の中から私を見つけて手を振ってくる男子がいた。
同じクラスのイケメンの緒方くんだ。
「よっ!ヒナちゃん、応援来てくれたのかい!」
「うん、比江島さんに来て貰った方が良かったかしら?」
「いや、オレはヒナファンクラブ会員だからな」

爽やかに笑うイケメン君だけど、彼を含む5組のイケメン男子数人が『アリサ親衛隊』なんて呼ばれたりしている。
クロちゃんと玉川くんのカップル成立で殆どの男女がカップルと言う5組にあって、特定の彼女を持たずに比江島さんの周囲にいるのが彼らだ。
でも何故かその親衛隊のイケメン君達は、私がクラス編入初日に『ヒナファンクラブ作るよ!』と言い出して何かとチヤホヤしてくれて結構困惑していたりする。
困って翼に聞いても『ヒナなら当然じゃない?』何て反応に困る答えしか返ってこなかった。

因みに緒方くんは背番号11。
ポジションはウイングだとか。
確かクラスでも一番足が速いとか言われてた気がする。


グランドの中央に両チームの選手が集まり、いよいよ試合開始となる。
盟成の選手の方が体格がいいように思える。顔立ちが外人なのか、ハーフっぽい子も一人いた。

「盟成にはJリーグからもお声がかかりそうな子が数人いるって話だね」
「松嶋先輩もそうじゃなかったっけ?」
「小松台がセンパイ一人に比べて、ってことさ」

翼と解説者役に連れてきたトッコちゃんは相当サッカーに詳しいらしく、私はついて行くのがやっとだ。
それにしても翼さんってそんなスポーツ詳しい人だったっけ。長く一緒にいてもわからないことってあるもんだな。

「じゃあ、小松台が圧倒的に不利なのかな?」
「それがね、そうでもないのよ」
「まあ、松嶋先輩を見てれば分かるよ」

私のそんな疑問にもトッコちゃんと翼がそう答える。
つまり賭けになる程度のいい勝負になるみたいと言う事らしい。

そんな事を言ってる間にホイッスルが鳴って試合が始まる。
小松台がボールを持ち、敵陣に切り込む。
そしてパス。
だけど松嶋先輩の前で盟成がカット。
そんなシーンばかりで10分程が過ぎる。

「上手くいかないねぇ」
「良くも悪くも松嶋先輩中心のチームだから、松嶋先輩にボールが行かないと辛いわね」

そんな話をしてると、今度は盟成のパスを小松台がカット。
そしてボールが大きく敵陣に蹴り出される。
それを受けようとする盟成の選手の前でボールが消える。
いや、消えたんじゃなくて、緒方くんが走ってきてボールを取ったのだ。
そのまま前に大きく蹴った緒方くん。
蹴ったボールを凄まじい勢いで追いかける。

「ちょっ?!」
「なにあれっ、速いっ!!」

盟成の選手を置き去りにしてブッ飛ばす緒方くん。
そしてブッ飛ばしてフリーになった緒方くんが中央に蹴り出す。

そこに待っていたのは松嶋先輩。
だけど、ボールをトラップした松嶋先輩に盟成の選手3人が迫ってくる。

その瞬間・・・
クルリと反転しながら2人を瞬時に抜いた松嶋先輩。
更にもう1人の選手の股の下にボールを通して抜き去る。
瞬時の3人抜き。
余りの毎に私は声も出なかった。

そしてフリーの松嶋先輩がシュートを撃つが、キーパーが弾いてゴールならず。
それでも凄いプレイだった。

「流石、小松台の深紅の稲妻ね(自称)」
「最後は猿橋さんにシュートコース塞がれてしまったけど流石ですね」

愛華センパイと翼が感心したように言う。
さっきの一連の流れ、緒方くんにも驚かされたけど、松嶋先輩の方は想像を超える規格外だったのだ。

「なっ、いい試合になるだろ?」
「う、うん・・・凄すぎてヤバい」

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