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学園ご意見所X
官能リレー小説 - 学園物

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学園ご意見所X 117

このボールカウントは一般的にはバッター有利らしい。
しかし飯島先輩はまだまだ余裕。
一方の霧香センパイも不敵な笑みを浮かべている。
お互いに強者同士。それでいてなんかお似合いじゃん、なんてことも思っちゃうんだけど。

飯島先輩の投じた4球目。
インコースから速い球。しかし速球ならボールになる。

「同じ球が2回来たら見逃さないぜっ!!」
ボールは霧香センパイの手前で鋭く曲がる。タイミングを合わせてスイングする霧香センパイ。快音がグラウンドに響く。

鋭い打球はレフト方向。
しかしボールは徐々に勢いを失い、しかもファウルラインの外に落ちた。

「スラーブね」
「スラーブ?」
「そう、さっき投げたスライダーは速く鋭く曲がって、玉川くんが投げたカーブはゆっくり大きく曲がる・・・スラーブはその中間ぐらいの球よ」

梓センパイが今の球を解説してくれる。

「つまりスライダーのつもりで打ってるからズレてファールになったんですか?」
「その通りよ・・・先に投げたカッターもスライダー系とは言え、同じ軌道から変化が違うから霧香にすれば厄介なんじゃないかな?」

かなり嬉しそうに話す梓センパイ。
まあ、霧香センパイに負けて欲しいんだろうなぁと言うのは十分に伝わる。

そして次の球は中山先輩が中腰に・・・
放たれたのは速球。

バシッと球がバックネットの上側に突き刺さって落ちる。
霧香センパイが飯島先輩の渾身のストレートを当てたのだ。

「156キロっ!」
「当てるのかよっ!あれを!」

野球部の部員達がざわめいている。
遥先生の時に見たけど、恐怖を感じるぐらいの球だった。
それをファールながら打ち返す霧香センパイは、やはり只者では無いのだろう。

もはや異次元の力を持った者同士のぶつかり合いである。
2人ともなんかすげえニコニコしてていい笑顔。もう勝負なんていいから早く付き合っちゃえよって言いたくなります。

ここで中山先輩がマウンドへ向かい飯島先輩と何やらヒソヒソ話。
向こう側の黄色い声援がブーイングに変わり「早くしろよー」なんて声もかかる。

1、2分もしないうちにやり取りは終わり勝負再開。
飯島先輩が投じた6球目は……さっきと同じ、渾身のストレート!

「さっきのより甘いっ!!」
霧香センパイはそれに反応し、鋭くスイング!

打球は高々と舞い上がる。
黄色い声援がひときわ大きくなり、悲鳴に変わる。それ以外の観戦者たちは呆然としながら打球の行方を見守る。
飛距離は玉川くんから打ったのと変わらないくらいだと思う。

野球部一の俊足でセンターを守る高城先輩が猛然とダッシュし打球を追いかける。
あと少しでグラウンドの外に飛び出す、その手前でボールが高城先輩のグラブの中に納まった。

霧香センパイ応援団から悲鳴が上がる。
そしてこちらからは男子の野太いどよめき。

「飯島が打ち取ったぞ!」
「しかし今の160キロだろ?!あれ打った江越もバケモンだなっ!」
「どっちにせよいい勝負だ!」

騒ぐ外野に対して清々しい顔の霧香センパイと、ずっと打球を見続けていた飯島先輩。

「負けちまったな」

流石イケメン。
こう言う時の霧香センパイの潔さは男前だ。

「いや、打たれた俺もまだまだ精進しないとな」

むしろ負けたような顔の飯島先輩だったが、霧香センパイが近づいて彼の背中を叩く。

「お前は打ち取った、オレは負けた・・・今回はそう言う事だ」
「江越・・・」

互いを認めて微笑み合う2人。
それで更に向こうから悲鳴が上がるが、まあそれは仕方ない。
そしてふと隣の愛華センパイを見ると、満足そうな笑顔。
やっぱり愛華センパイにとって霧香センパイが大事だからこそこの表情なんだと思う。



そして・・・

その夜、私は愛華センパイの部屋にいた。
愛華センパイ、そして潤くんと三笠くん。
それぞれのパートナーと共にテレビ画面を見ている。

そこにはライブカメラの画面を調整してる霧香センパイ。
無造作にダンベルとか転がっている殺風景な部屋は霧香センパイの部屋だと思われる場所だ。

「あー・・・今から始めるぜ」

既に全裸の霧香センパイがベッドの方に向かう。
そこには同じく全裸の飯島先輩。
長身で逞しく、アレも大きい。
流石は一流アスリートだ。

「ムードなんて求めるなよ」
「んなもん無くても江越は可愛いだろ!」

可愛いと言われた霧香センパイが鼻でハンと笑い飛ばす。

「可愛いなんて幼稚園以来言われてねーんじゃねえかな・・・まっ、対比が愛華だしな!」
「アレはおっかねーけど、お前は可愛いと思うぞ」

愛華センパイが怖いと言う飯島先輩の言葉に少し笑いそうになった。
愛華センパイも失礼よねーと言いながらもニヤニヤしてる。

「さてと、早速ぶち込んでコマして貰おうかな」
「おうさ!」

ムードも欠片も全くないやり取り。
愛し合う行為をする雰囲気ではなく、エクササイズするようなノリだ。

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