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憧れの先輩はいろいろヤバい
官能リレー小説 - 学園物

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憧れの先輩はいろいろヤバい 5


「すぅーーーーー」

春秋の匂いが希海の全身を駆け巡る。

あぁ、たまらない、たまらないっ!

そんなことを思いながら希海は左手で自らのスカートをたくし上げその中にある黒い布のまた奥へと手を伸ばした。
自らの秘部に指を宛がい敏感な部分を撫であげる。

「んっ…」

思わず声が漏れる。そんな声を右手に持つカーディガンで抑える希海。すると春秋の香りが一段と強く匂い、彼女の鼻腔を刺激する。希海は全身が熱く火照るのを感じた。言ってみれば発情したのである。

生徒会室で自慰をする生徒会長。そんな彼女は感じやすい体質のようですぐにグチュグチュという艶めかしい音を響かせ始めた。その音に合わせて控えめな喘ぎ声が希海の口から漏れていく。

「んっ…春秋くんの匂い…たまらない…たまらないわ…」

恍惚とした表情でたまらない、たまらないと連呼しながら生徒会室で自慰を行う姿は気を違えたとしか思えない有様であった。端的にいうとキチガイだったのだ。春秋の憧れる先輩はキチガイだったのである。


希海は自らの秘部を撫であげ、指先を少し挿入し、前後に動かし始める。グチュグチュという扇情的な音が生徒会室内に響き渡りその音がまた希海の興奮を助長させた。
しばらくすると彼女の息が一段と荒くなりカーディガンを握りしめる拳には心なしか力が入っているように見受けられた。
やがて、その指先を前後に動かすという単純動作の速度が上がっていく。

「ああ、ああっ…」

口から洩れる喘ぎ声をカーディガンで抑える希海。しかしカーディガンの防音も完全ではなく声が外に漏れ出た。高ぶる喘ぎ声。指先が激しく動くにつれ声が漏れるペースも上がっていく。すでに肩で息をしていた彼女はやがてその嬌声を生徒会室に響き渡らせることとなる。そして、限界は突然やってくる。希海はうわ言のように呟く。

「ああっ、イッちゃ…」

そんな言葉とともに、彼女は大きく背中を仰け反らせた。



「〜〜〜〜〜〜っ!!!!」

腰をビクビク震わせ、カーディガンをひときわ強く握って、その布に顔を埋める希海。紅かった瞳がすでに黒に戻っており、熱に潤んだ様子が見られた。
しばし、絶頂の余韻に浸るようにカーディガンの匂いを確かめる。すでに春秋の匂いはなく希海が愛用している市販の洗剤の香りだった。

「…………はぁ」

いい香りだけど、私が求めている香りはこれじゃないわ。

そんなことを思うと急激に視界がクリアになっていくのを感じる。ぼーっとするような熱も身体から少しずつ消えていき冷静になった。そして少女はつぶやく。

「春秋くんを抱きたいわ。一回だけでいいから!先っちょだけでいいから!って頼み込めばどうにかならないかしら……」

冷静になった。彼女はこれが常なのである。周りに露呈しないのは彼女自身の努力とその特殊な能力のおかげである。

こうして希海の夜はいつものように更けていく―――――ことはなかった。

突如、生徒会室の扉が開かれる。



ビクン、と身体を震わせ正気に戻ろうとする希海。
目の前の扉は開かれ、暗闇から姿を現すのは背の高い少年。
奇しくも、さっきまでアレな行為を共にしまた希海自身、いつかモノにしたい、と思っていた遊佐春秋とは正反対の体格。

「聞いちゃいましたよぉ、会長さん。まさかそんなために遅くまで残っていたとはねぇえ」
「な、何のことかしらね?」

「春秋くんを抱きたいわとか、一回だけでいいからとか、先っちょだけでいいからって言ってましたよねぇ」
少年がニヤニヤしながら言うのに対して希海は表情が消えていった。
「まさか会長が後輩の匂いが残るカーディガンをオカズにオナってたなんてねぇ」
「何が言いたいのかしら?」
第三者がいれば希海が能面の様な表情で底冷えする声色をしていると気付いて震え上がったろうが、調子に乗って浮かれている少年は気付いていない。
「いやぁ、こんな事が皆に知られたら大変な事になりますよね?黙ってて欲しかったら……分かりますよね?」
「分からないわね」
「遊佐なんかじゃなくて俺の相手をして下さいよ。あんなモヤシなんかより俺の方が良いですって。ヒィヒィ言わせて」
「黙れ」
「へ?」
ここに来て漸く少年は希海の尋常ではない様子に気が付いて身体が凍り付いた。

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