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憧れの先輩はいろいろヤバい
官能リレー小説 - 学園物

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憧れの先輩はいろいろヤバい 12

動画の中の先輩たちは、尋常でないほど乱れていた。
あられもない姿で叫び、卑猥な言葉を発し、快楽の渦に飲み込まれる…後に薬を盛られていたとわかったが、それでも、ちょっと信じられないような光景だった。

……薬が無くてもあんな状態になるお方が一人いる?それは今は、ちょっと置いておこう。

木原先輩、朝霧先輩を罠に嵌めようとしたのは、あの唐橋だった。

唐橋冬馬―彼とは同じクラスだった―過去形になっているのは、彼が学園から除籍処分を食らったからだ。父親がいろいろとやらかして居場所がなくなったのもあるが、彼だって相当のことをやっていた。

背が高くてイケメン。見た目は爽やかで、僕なんて比べるまでもない。彼の周囲には常に男女問わず誰かがいてとても人気のある男だった。もっとも、それは表側の顔だ。
僕は彼から「モヤシ」と呼ばれ馬鹿にされていた。悔しい気持ちはあったがいつまでも相手にしているのも疲れるだけなので、ある時から完全無視するようにした。そうしたら彼も突っかからなくなった。


「あの時は…自分が自分じゃなくなるみたいで…」

朝霧先輩が俯きながら一言ずつ、紡ぎだすように言う。

あの動画を見た後だと、先輩お二人のイメージはずいぶんと違って見える。
クールな木原先輩が、唐橋に鬼のようなピストンを食らって絶叫していた。
物静かな朝霧先輩も、唐橋に馬乗りになって腰を振って何度も絶頂していた。
下手なAVよりもオカズになりえる映像だった。


「希海はちょっと頭の中がアレな子だけど、遊佐くん…君とすることで、あの、ヤなことが忘れられるなら、頼っても、イイかな…」

朝霧先輩が顔を上げて、僕の目をじっと見つめる。

「でも、その、僕とする事で過去の事がフラッシュバックするんじゃ?」
「君は嫌?こんな私達じゃ?」
「まあ、私達には文句は言えないけどね」
「とんでもない!ただ希海さんのトンデモ理論が本当に正しい事なのか?本当にお2人にとって良い事なのかの判断がつきかねるというのが正直なところで」
「まあ、確かに。あの変人、ド変態の希海のぶっ飛び療法だもんね」
「まあ、真っ当な方法では無いね。どこまで本気か知らないけど自分の彼氏の性奴隷になれだからね。まあ、私達の力を抜く為に道化というかボケ役に徹してくれてると好意的にとれる……かな?」
「いや、素だよ。私達の為でもあるけど自分や恋人の利益にもなると言う事で一石二鳥、三鳥を狙ったWINーWINな名案のつもりだろうね」
「まあ、でも、あんな事こんな事を忘れる為にはそれなりにぶっ飛んだ事しなきゃ駄目かもね」
「いっそアソコまで振り切れれば色々楽かもね」
「そうだね。私達には狂いたくもなる理由が存在するから口実にはなるね」
「遊佐くんには色々と迷惑もかかるだろうけどね」
「大丈夫よ。その代わりあの狂人のストッパー役やボヤキ相手が出来るんだから案外悪くない取引になるんじゃないの?」
「……」
正直、この2人と関係を持てるよりも魅力的かもしれない。希海さんに物申せる人も、あのぶっ飛びぶりを遠慮なく話せて、かつ信じてくれそうな人も他にいないもんね。
「まあ、私達3人、同志結成という事で」
「同志?」
「希海の被害者同盟、希海に振り回され隊、って感じで希海絡みでは三日三晩お酒を酌み交わしても話題は尽きないくらいにはなるでしょうし」
「桃園の誓い的な?」
「そんな格好良い響きじゃないわよ。生まれた日は違えど死す日は同じなんてね。まあ桃色の誓いには違いないけど」

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