生徒会日和~Second Season~ 91
珍しく動揺した感じの佐奈ちゃん。佐奈ちゃんはさらに続ける。
「中学は、けっこう部活やってた感じで、生徒会とか、なんか、すごいまじめな人たち、って感じで、全然縁無かったですぅ」
佐奈ちゃんはそう言ってニコッと笑いかけた。
「佐奈ちゃん、部活何やってたの?」
「中学ではテニスやってました。全然へたくそで試合でも全然勝てなかったですけどね」
小柄ですばしっこそうな佐奈ちゃんだが。
「佐奈ちゃん、今から部活するつもりとか」
「うーん、なんか面白そうなのがあれば考えますけど、先輩から生徒会のお誘いがあるなら部活はいいかなーなんて」
「そうなんだ、佐奈ちゃん、ぜひ、生徒会役員に」
佐奈ちゃんの言葉を受け取って、僕の口から自然にそう出ていた。
「え、ほんとですか!ありがとうございます!先輩、藤原君には『役員は会長になった人が決めるもんだ』みたいなこと言ってましたが、けっこう会長になる可能性高まったんですか?」
「可能性は50%」
「ふふ、あの先輩は手ごわそうですもんねぇ」
「完全な敵ってわけじゃないからね?佐奈ちゃんもいきなり突っかかっていったけど、梓さんは去年も一緒にやった仲間だから、仮に僕が当選してもしなくても一緒に生徒会をやっていくのは変わらない。白川さんもそこに入ることになるかもしれない」
「ひぇっ」
なんか小さく、変な叫びが聞こえた。白川さんを怯えさせてしまっただろうか。
「恐れる必要はないよ。僕は誰とでもうまくやっていきたい」
僕はふと思い立って、スマホを取り出して去年の生徒会の様子を見せようとした。
普段の写真なんてそんなにないので、すぐに出てきたのは夏休みの別荘行きの写真だった。
「こういう研修旅行みたいなのあるんですか?」
「研修とかじゃなくて、普通に旅行かな」