生徒会日和~Second Season~ 90
「やあ、ごめん。こっちが見つけられなくて」
「大丈夫です!」
佐奈ちゃんは今日も元気いっぱい。それに対して…
「あ、え、ええと…」
「はい、先輩のお目当ての白川朱里さんです」
「お目当てってねぇ…」
白川さんはなかなかこちらに視線を合わせてくれない。
「えーと、僕が穂積樹。よろしくね」
「はい…」
かなりの美少女だ。こっちもドキドキしてくる。
しばらく沈黙が流れる。
沈黙を破ったのは、佐奈ちゃん。
「先輩は、なんで白川さんに会いたい、って思ったんですか?」
多分、話を促すために振ってくれたのだと思う。
最終的には、生徒会役員になってくれないか、その前に生徒会長選挙のこと、ではあるんだけど、いきなりそれを出したら引かれてしまいそうだ。
ただどうやって遠回しに話そうか、それもちょっと悩む。
「白川さんの名前は新学期が始まった直後に知ったんだけどね」
「はい」
ここで相槌を打つのも佐奈ちゃん。
「白川さんは、中学の頃に生徒会とかやってたりするかな?」
「実は……一応、ですけど。お役に立てたかどうかはわかりませんが…」
「何で生徒会の役員になったの?とか聞いてもいい?」
「姉に、勧められて、っていうか、誘われて…」
「お姉さんがいるんだ」
「そうなんです。一つ上の…今はちょっと遠くの高校行っちゃいましたが」
きっと、目の前の白川さんと少し性格が違う、活発な感じのお姉さんなんだろうなあ、と思い浮かべた。
「生徒会の役員、やってみてどうだった?」
「そうですね…考えることが多かった、というのが一番ですかね。頭を使うこと…大変でしたけど、やりがいはあったと思います」
「お姉さんが卒業した後は」
「何でもできる友達がいて、その子がいろいろ意見言ったり、発案してくれたり…頼りにしちゃってましたね」
「佐奈ちゃんは?」
「え、わ、私ですか?生徒会…やったことないです!」