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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 1

私立桜樹台高校。
この春で学校創立21年目、共学になって2年目を迎える。

そんな4月最初の登校日、僕、穂積樹は生徒会室で一人必要な書類をまとめていた。
1年生最後の定期テストで全体のトップになり、この春からも生徒会の「特別枠」として役員になることが決まっているのだ。

…で、それ以外の役員は間もなく行われる生徒会選挙によって決められる。
選挙と言っても野球とかサッカーのオールスターゲームの出場選手を決める人気投票みたいなものだ。


がらがらがら

「……?」
生徒会室の扉が開く。
姿を現したのは黒髪、長いポニーテールがトレードマークの女子生徒。

「いよぅ樹くん、頑張ってるねぇ」
新聞部部長の3年生、春日井澪さん。
先代生徒会長と先代新聞部部長が古くからの親友であり、生徒会と新聞部は友好的である。

「今度の選挙の候補者たちが出そろったようだねぃ」
「と言っても、予想みたいなもんですよね」

 「樹くんは、次期会長は一宮さん、曽根さんのどっちがいいと思う?」
 「いやあ、僕の立場でそんな…もし言ったら『暫定会長、誰それを支持』なんて記事書くのでしょう」
 「あははは、そんなことしないって」
 一宮早紀さん、曽根梓さんは、先期一緒に生徒会役員をやっていた先輩。その二人が三年生になって、生徒会長は事実上その二人のどちらかになるだろう。
 選挙で選ばれる役員が今は全員退任しているので、選挙まで僕は「暫定会長」って呼ばれている。
「二人共勝ちたいだろうから、普段関心のない子や、悔しがってる人たちと組むかもよ」
「悔しがってるって?」
実際の選挙でも無党派や浮動票は存在する。この学校独特の事情も影響するに違いない。
「そりゃ、共学化に反対してた人たちっていうか、今も反対の人もいるし、純粋に役員に男子がいるのが面白くないってのもいる」
「どっちかかが、そんな人達と組むって事?」
共学になってからまだ二年なので、女子校の気質が簡単には抜けない。生徒だけでなく教師もそうかもしれない。
「当然あり得る。この間まで優しかった先輩が今度会う時は別人、なんてこともあるかも。マウンティングが良くないって言ったって、ここを選んだ時点で無名の公立よりマシって意識あるじゃない」
「暫定とは言え、後ろ指さされないように注意しなきゃ」
「そうそう、樹くん本人でなくてもお姉さんが嫌いって人もいるし、気をつけないと」
先生以外は直接文句や嫌味は言ってこない。でも、不満のはけ口は存在する。
目安箱だ。春日井さんが出ていくと、置かれていく箱を取りに行く。投書を確認するのも生徒会の役目だ。
中学の時はこんな箱に意味があるのかと思っていたし、男はいちいち飲食店に置かれているアンケート用紙も書いてまで出す人は少ない。
でも、女性はそうではない。ある意味投書で生徒の本音を知ったと言っても過言ではない。
匿名という決まりだけあって、男子に気を使わず女子にだけ優遇する意見や逆に男子が増えたのを利用してお嬢様学校っぽいところをなくそうとのものまである。
すべてジャンル分けし、ファイルに纏めておく。今は議題にできないだけで、選挙後に新しい会長の時に検討されるだろう。

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