生徒会日和~Second Season~ 88
翌朝。
いつも通りの時間に目覚め一階に降りると、朝食を作る母さんとリビングのソファーに座る姉さんの姿。
「せっかくの休みなんだからゆっくり寝てたら?」
「早起きの習慣が染み付いちゃったのよ」
それも姉さんらしいといえばらしい。
そして三人での朝食。何年ぶりのことだろう?
それでも僕たちはそのときの配置でテーブルに座り、食べ始めた。
当時の僕は、どんな風だったろう?多分緊張していた。でも、もうそういう緊張も、なくなりつつあった。
早起きが染みついてる、そう言う姉さんだけど、昔はもっと朝が弱かったような気がする。
少し不機嫌な姉さんだから、緊張感は大きかったような。
「今日も頑張ってらっしゃい」
「うん」
柔らかい表情の姉さん。
それを見て僕は家を出た。
ところで昨日の引き続きで考えたことがもう一つ。
1年生の生徒会候補、瑞樹さんはほぼ決定でいいだろう。もう一人の白川さんはまだ会ったこともない。それならいっそ佐奈ちゃんを入れてみるのもよさそう、と考えてもいた。そこで昨日の母さんの言葉を思い出した。
「仲良し集団がいいって最初は思うけど、終わってみたらそれは間違いかもしれない」
「でも、樹の場合は、さっきの話だと、仲のいい人、の中に、そのもう一人の頼りになる先輩が入っているんだから、それはそれでいいんじゃない」
…どっちもその通りだと思う……
よし。
桜樹台の生徒会役員に定員があるとは聞いたことがない。いっそ、白川さんと佐奈ちゃんを両方呼んでみれば、仲良しと他の視点の両方が得られるのではないか。
昨日よりも校舎内に貼られている決選投票のポスターが増えているような気がする。割合は梓さんと僕と、ちょうど半々くらい。
最初は周囲の視線が気になったけど、今はそれもない。
これも心境の変化か。
その日の昼休み。
4時間目が移動教室の授業で、戻る途中のこと。
「やあ穂積くん、調子はどうだい?」
声をかけてきたのは選管委員長の武並先輩だった。