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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 83

 本当は、誰もいないのをいいことにちょっと壁当てでもやって感覚を思い出そうか、とも思ったのだけど、そういう状況でもなくなった。僕は姉さんについて家に入る。姉さんも実家から離れた今も合い鍵は持っていたようだ。
 「長い休みって?」
 「何年かに一回、半強制的に連休を取らなきゃなんだ。その初めての番が回ってきて」

いわゆる「働き方改革」の流れだろう。それは姉さんの働く会社も無縁ではないようだ。昔から一度決めたら目標達成するまで突っ走り続ける姉さんも、会社の命令?には勝てないみたい。そこは少し安心するべきところだろうか。

「それで帰ってきたんだ」
「向こうにいたってすることなんもないし…高校卒業してからお母さんも、樹の顔もろくに見てなかったし。お母さんは相変わらずなんだなぁ。さやかや麻由美にも会いたいけどなぁ…」

 とは言っても、今は姉さんと二人、という状況は変わりない。
 僕はお湯を沸かしてお茶を用意する。

 「ありがとう」
 僕も姉さんもお茶を一口飲む。
 しばらく、と言っても短い時間だが沈黙が続く。
 「…姉さん、最近、なんか変わったことあった?」
 「うーん、今リフレッシュ休暇を取ってることくらいかな…樹は?なんか変わったことあった?」

「まあ、こっちはいろいろ…」
姉さんにさっきの話の続き、野球部のことを話した。姉さんは僕の話に割って入ることなくしっかり耳を傾けてくれた。やっぱりというか、あの頃の姉さんとはちょっと違う。

「樹の代からよね、桜樹台が男子を入れたのって」
「うん」
「男子中心のスポーツの部活を作りたいのもわかるけどなぁ。サッカーとかバスケもできたの?」
「バスケはないな…サッカーはできたけどまだ人数が足りてない」
「やっぱり」

「あと、姉さん」
「何?」
「僕、生徒会長になるかもしれない」
「えっ、マジ」
姉さんもかつての桜樹台の生徒会長である。その姉さんがあまり見せたことのない驚きの表情で僕を見た。

 「去年、何か、特定の枠で、副会長になったことは、伝わってる?」
 「うん」
 「それで、今年の投票で、ほんとは会長になりそうな先輩と、あんまり差がなくって『決戦投票』って言われたんだ。
 「決戦投票やるんだ」

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