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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 71

 梓さんはニヤリと笑ったように見えた。
 「ほう。君は、なぜそう思う?」
 真横だから佐奈ちゃんがそう言われてどんな顔をしたか分からない。一瞬間があったような気はしたが、次の瞬間には口を開いていた。
 「野球部を強くするため有望な人を集めていたり、とか」
 「それから?」

そう聞かれて佐奈ちゃんは返す言葉がなくなったのかぐぬぬと唇をかみしめながら梓さんを睨み続ける。いや、そんな姿もまあ…なんだけど、梓さんを完全な敵と認識してしまってはなんだかまずい。

「佐奈ちゃん、落ち着け」
「でもっ」
「確かに一騎打ちの選挙戦だから対抗したくなるけど、うちの学校のシステムはそういう風じゃないから」
「お、樹は大人だねぇ」

 僕は佐奈ちゃんはどのくらい制度を理解しているだろうか、と考えながら続ける。
 「僕が生徒会長になったら、梓さんは副会長に、そして梓さんが生徒会長になったら、僕は、きっと、副会長になる…知ってるかもしれないけど」

「ん、んー…」
佐奈ちゃんが腕組みして考え込む。

「なんかかわええ子やなあ」
「猪突猛進なとこ、嫌いじゃないがな」
梓さんと小坂井姉妹がほのぼのとした会話を繰り広げる。そう、もともと敵対してるわけじゃないし、佐奈ちゃんには勘違いしてほしくないのだ。

「来年は樹の右腕だな、この子は」
「気が早いですね」

 佐奈ちゃんは梓さんに向かってまっすぐ立ち、
 「よく分からないで言ってしまい、すみませんでした」
 と言って頭を下げた。
 「まあ、初めは、誰でも分からないことはあるよ」
 「ありがとうございます…でも、私は、穂積先輩を応援したいなあ、と、思います」
 「それは、誰でも、誰かを応援したい気持ちがあるのは当然だよ」

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