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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 68

「う、うん…」
これは……正直、恥ずかしいものがあるのだが……

「さあ、今日から樹くん行ってみよー!」
双子姉妹に背中を押されタスキをかけたまま廊下を練り歩くハメに……

「生徒会長候補、穂積樹をよろしくお願いしまーす」
後ろからうちのクラスの放送委員(双子姉妹と並んでムードメーカーでもある)、江島千沙さんが即興アナウンスを始める。

 多分、いきなりのことに緊張で顔が引きつっていただろう。
 でも、みんなではないが、すれ違う人、周りの人の中には会釈してくれる人、手を振ってくれる人、「がんばって」など声をかけてくれる人もいて、僕も応えていくうちにだんだんと緊張も解けてきて、僕も自ら手を振ったり「お願いします!」と言ったりしていけるようになっていった。


自分たちの教室からスタートした街宣活動は校舎をぐるりと一周したところで終わりとなる。
教室に戻り、ほっとした気分でタスキをとる。

「樹くんお疲れー。この調子でいこうねー」
茉莉花さんが目の前に握り拳を突き出す。僕もそれに応えてグータッチ。

「この調子で支援の輪を広げられたらいいなー。3年生は梓パイセンが幅利かせてるから不利だとして、1年生の子たちに向けて支持を広めたいとこだなー」
茉莉亜さんが腕組みして言う。

1年生の子の支持………思い浮かぶのは佐奈ちゃんの顔だが

 「一年生で、応援に加わってくれそうな人は、いるかな?」
 茉莉亜さんが続けたので、僕は
 「うん、頼んでみる」
 と応えた。茉莉亜さん、茉莉花さん同時に
 「「おおお」」 
 と感嘆の声を上げた。

 「あとね、言う言葉なんだけど…」
 一緒に回ってくれていた蜜恵さんが口を開いた。
 「樹君に入れてくれるかもしれない人って、曽根さんに入れる人以外なわけでしょう」
 「うん、それはもちろん」
 「だから、そういう『以外の人』の声を実現します、っていうような意味のことを言うといいと思う…うまくいえないけど…あなたの声を活かす、みたいな。ベタだけど」

「……そうか。うーん」
ちょっと考える。梓さんになくて、僕にできること、って例えば何があるんだろう。それこそ、1年生の男子に伝わるメッセージを考えればいいんだろうか。

「樹くんは生徒会じゃオンリーワンなわけだからね。樹くんにしか出せない意見、あるかも」
茉莉亜さんが言う。それに千沙さんが頷いてる。

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