生徒会日和~Second Season~ 66
「すいません、待たせてしまって」
「あ、別に。全然そんなことないよ」
考え事をしているうちに瑞樹さんが着替えて出てきた。
「先輩は大変そうですね」
「それは…わかってしまうか」
「こういうことを言うとアレかもしれませんが…私も、穂積先輩と部活以外でも一緒になる機会があるかもって」
「うん?」
「なんか、さっきの曽根先輩の言葉だと、穂積先輩、決戦投票がどうなっても生徒会役員になりそうなんですよね」
「うん…公式には『会長以外の役員は、会長の専決事項!』なんだけど…多分梓さんが会長でも、僕が副会長になる」
「それで…こう言ったら変かもですが…私、生徒会役員になる可能性が、高いんですか?」
瑞樹さんの表情は竹刀を持っていた時のような凛々しさではなく、少し不安を抱いて心配そうな感じ。そのギャップに惹かれるものもある。
「そうだな……1年生の中では、可能性はとても高い」
「へぇえ…」
「まあ、そんな不安に思うことはないよ。いきなり重たい仕事を任せることなんてしないし」
「穂積先輩が一緒なら、ありがたいです」
瑞樹さんは俯きながら続ける。
「曽根先輩って、なんか、すごいいつもテンション高いような気がして…ええと、そう見えて…ついていけるか分からなくて…だから、できたら、穂積先輩に、生徒会長に、なってもらえたら、私は…いやすいような、気がします」
「そう……?」
ちょっと驚いた。瑞樹さんは剣道の実績も優秀で、体育会系の熱いイメージを抱いていたので、梓さんが苦手だというのは少々意外なような気がした。
「剣道もいいけど、もっと友達も作りたいし、普通の高校生みたいなこともしたい。女の子らしいこともしたいって思っているんです」