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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 62

 途中まで一緒に戻るとき、麻生君は佐奈ちゃんが途中トイレに寄っている間にそっと言った。
 「さっき、それ以外、って言われて改めて思い出したんです。僕は、女子が多い桜樹台に来たのは、ほんとは、体育会系のことばかりでなく…その、女子と、姉とかとは違う、女子と、仲良くなりたかった、っていうのは、ちょっと、あったんです」
 「そっか、やっぱりそう思うよね」
 「先輩の掛け持ちの話もありましたし、春の大会終わったら、ちょっと、そういう掛け持ち考えてみようと思うんです」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、まずは環境に慣れることが大事だよ。無理せず君のペースでやっていったらいいさ。それからでも遅すぎることはない」
「はい、ありがとうございます」
「君ならすぐ女の子と仲良くなれるんじゃないかな」
「いえいえ、そんな…」

 麻生君はトイレの方をちらりと見た。佐奈ちゃんがまだ戻ってこないことを確認したようだ
「実は、女子と話すのはあんまり得意じゃなくて…佐奈ちゃんが話しかけてくれたのはすごい嬉しかったんです…でも、今朝、彼氏ができた!みたいなこと聞いてちょっとショックで…」

ガッカリしたような感じで、肩を落とす麻生くん。
佐奈ちゃん、きっと男子の間から相当人気あるんだろう。しかもその佐奈ちゃんと付き合うことになったのは麻生くんもよく知る…それ以上言うのはやめておくか。

「きっと春が来るさ」
「ははは…期待してます」

会話が終わったところで佐奈ちゃんがトイレから出てきた。そのまま3人で1年生の教室まで歩いて、僕も教室に戻ってきたところで昼休みが終わる。

昼の授業も何事もなく終わる。
アリスからは「スカウトうまくいってる?」なんて聞かれたので、「順調だよ」と返した。

「それならよかったわ」
アリスも軽く微笑んでそう言った。

今日は剣道部に顔を出そう、と思い武道場に向かう。
足を運ぶと、いつも以上に威勢のいい声が響いているように感じた。

「穂積くん」
入ってすぐ声をかけてきたのは顧問の守山さやか先生。
「すいません、なかなか来れなくて」
「いいのよ。事情は知ってるから。それよりもね」
何か嬉しそうなさやか先生。

「麻生瑞樹さん…来てくれたんだ」

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